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カシオ計算機

創業50年控え、利益重視路線の真価が問われる

  • 瀧本 大輔

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2006年5月17日(水)

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 「創業50周年の2008年3月期に、営業利益率10%以上を目指す」――。カシオ計算機の樫尾和雄社長は、2006年3月期の決算説明会の場でこう宣言した。

 カシオが発表した2006年3月期の連結業績は、売上高は前年比3.8%増の5803億円、営業利益は同10.4%増の431億円、売上高営業利益率は7.4%となった。営業利益は前期に続いて最高益を更新した。

 増収増益の主な要因は、主力製品のデジタルカメラ携帯電話、そして腕時計が好調だったこと。お家芸でもある薄い小型デジカメ「EXILIM(エクシリム)」や、KDDI(株価)の携帯電話サービス「au」向けに投入した端末がヒット。単価が安いデジタル方式が中心だった腕時計でも、より利益率が高いアナログ方式の高級腕時計を投入したことが奏功した。

 2007年3月期は売上高6.8%増の6200億円、営業利益は16%増の500億円と、営業利益は3期連続で最高益を更新する見込み。今期の売上高営業利益率は8.1%に達する計画だ。カシオの2003年3月期の営業利益率は4.1%。それを2006年3月期には7.4%と3%強引き上げ、2008年3月期には10%台に乗せようという。収益性向上の裏には何があるのか。

2度の“失敗”で利益重視へ転換

 カシオが利益重視の経営に取り組んできたのは、最近の2度の苦境が影響している。1つは1999年3月期、約85億円の最終赤字に転落した。赤字転落の理由は、耐衝撃性能を強化した腕時計「Gショック」の在庫評価損や子会社の支援などで約200億円の特別損失を計上したことだ。Gショックは1983年に第1号を発売し一世風靡したが、人気が一巡し在庫が膨らんだ。

 もう1つの苦境は2002年3月期。PDA(携帯情報端末)の不振やデジカメの競争激化による収益性悪化が影響し、最終損益が249億円の赤字になった。いずれも市場シェアを追い求めた結果だ。

 これらの“失敗”を経て、カシオは量よりも質を追うことで利益を確保していく戦略を打ち出した。購買先の絞り込みや、製品開発・生産における他社との提携を進めるなど、集中と選択を明確にしたのだ。

 携帯電話事業では、2004年4月に日立製作所(株価)と合弁会社を設立。基盤技術の共有を進めることで開発コストを削減し、大手が軒並み赤字に陥った中で利益を確保した。小型液晶パネルでは、2005年8月に台湾の液晶パネルメーカーであるハンスターと提携。いずれも大型の設備投資を避けながら生産能力を高め、利益率を稼いでいく戦略だ。

 シェアに固執せず、コスト構造を見直して採算性を重視してきた結果が、営業利益率の改善に表れた。株式市場もカシオの戦略を評価しているようだ。株価は、大幅な赤字決算が明らかになった2002年2月7日には410円と過去10年来、最安値をつけたが、その後は業績の回復を見極めながら緩やかに回復。現在は2000円を超える水準で推移している。

「付加価値を高め、海外を攻める」

 2003年3月期から取り組んできた収益性の改善は、面から点展開への路線転換で実現してきた。シェアという面の追求から、例えば、デジタルカメラでは薄さ、携帯ではキャリアを絞り込む点の構築を行ってきた。2008年3月期に目指す営業利益率10%の達成のためには、点の多様化が必要になる。

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