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拝金エリート 村上世彰の誤算

日経ビジネスが見た市場退場までの全軌跡

  • 大豆生田 崇志,中野 貴司

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2006年6月12日(月)

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「物言う株主」の村上世彰がインサイダー容疑で逮捕された。
ニッポン放送株を狙うライブドアの動向を知り、利益を得た容疑。
灘高・東大・通産省を経たエリートはなぜ致命的なミスを犯したのか。
7年にわたる取材から“投資のプロ”の言動と思想の変節を検証する。
=敬称略(大豆生田 崇志、中野 貴司)

「まだ分からないな。でも、ちょっと面白いことになるよ」
――2005年2月4日午後5時、東京都港区の六本木ヒルズ20階のオフィスの一室で

2003年12月、村上ファンドの投資戦略会議では、村上が司会となり全員が銘柄選定と戦略を披露し合った(東京都港区の本社で)

 フジテレビジョンによるニッポン放送へのTOB(株式公開買い付け)に応じるかを尋ねると、自身のオフィスで村上世彰はそう言葉を濁した。フジがニッポン放送の子会社化を狙う中で、村上は18.57%のニッポン放送株を所有し、その去就が注目されていた。

 村上がすぐTOBに応じなかった理由が明らかになったのは、それから4日後。2月8日に、ライブドアが時間外取引で「ニッポン放送株の約35%を握った」と発表してからだった。

 株式市場では、ニッポン放送支配を狙うライブドアに、村上が保有株を売ったのではないかと憶測が駆け巡った。午前の取引が終了した直後に、オフィスに電話して村上に直接尋ねると、村上はいらついた様子で答えた。

 「違うんじゃないか。僕は知らないよ。ファイリング(大量保有報告書)を見るべきなんだよ。少なくとも僕は持っていますよ。ニッポン放送株を」

 ではどうやってライブドアがニッポン放送株を取得したのか。村上は早口で続けた。

 「(当時のライブドア社長の堀江貴文から)相談は受けたよ。村上さんはお売りになる気はありますかと。ただ、僕は持っているからね。今だって、これは高すぎると思えば売るかもしれないし」

 ライブドアがニッポン放送株を大量に取得できたのは、何より外資系ファンドの売却があったから。ただ村上も一部の持ち株を売却していたと見られる。「高ければ売るし、安ければ買う」と答えをはぐらかすのは村上の口癖だ。売買に関わる質問に下手に答えれば株価に影響を与え、「風説の流布」を問われかねないと、警戒していた。

 しかしライブドアがニッポン放送株を取得する方針を知った後にニッポン放送株を売買して利益を得たことで、証券取引法違反のインサイダー容疑に問われ、逮捕された。その頃は、こんな事態は想像していなかった。

 1999年6月に設立されたM&Aコンサルティング(村上ファンド)は、2000年1月に不動産投資の昭栄を相手に初めての敵対的TOBを仕掛けて、一躍「物言う株主」として知られるようになる。ただ、デビュー時の成果は華々しくなかった。キヤノンや旧富士銀行など大株主がTOBに応じなかったためだ。それでも村上は、何度も上場企業の大株主として突然登場した(下図を参照)。

 逮捕まで約7年間に及ぶ村上の言動と行動は、実のところ単純すぎるほど明快な3つの原理に集約される。

7年間で60社超の上場企業に投資 村上ファンドが投資した主な企業

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