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T&Dホールディングス

ニッチ市場を囲い込み

2006年6月13日(火)

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 飽和市場、そして長年の低金利による逆ざや、銀行の保険商品の窓口販売と収益及び競争環境に厳しさを増す生命保険市場。単なる市場拡大を追い求めると、将来の不良資産を抱え込むリスクが増す。国内唯一の上場生命保険会社であるT&Dホールディングスは、激変する顧客ニーズと向き合いながら事業基盤を固める体制を強化しようとしている。

 1999年の旧大同生命と旧太陽生命の業務提携が母体になり、2004年4月に設立されたT&Dホールディングス。中小企業向け保険の大同生命、中高年女性向けの貯蓄保険を特徴としてきた太陽生命に、2001年10月に太陽、大同が共同で買収した旧東京生命(現T&Dフィナンシャル生命、以下TDF)の3社を傘下に置く生保持ち株会社で、国内で唯一、上場する生命保険会社だ。

 個社で見れば規模は小さいが、3社合わせた保険料収入の国内市場シェアは住友生命、AIGグループに次いで業界6位。顧客ターゲットを絞り、3社3様の経営戦略で補完し合っている企業形態が特徴だ。今期、3社合計の新契約高は前期を下回ったが、経常利益、基礎利益、当期純利益は通期予想を上回った。

他社とは異なる経営のモノサシ

 厳しい収益環境に、生命保険業界は遅ればせながら、手を打ち始めている。2006年3月期決算では、日本生命保険など大手8社が本業の儲けを示す基礎利益の内訳である利差、費差、死差という「3利源」の情報開示に踏み切った。基礎利益は、事前に想定した死亡率と実際の死亡率との差から生まれる「死差益」、あらかじめ想定した利率と実際の運用利回りとの差から生まれる「利差益」、そして予定したコストと実際にかかったコストとの差から生まれる「費差益」の3つで構成される。契約者が払う保険料は、契約時に、こうした3つの差益がどのように推移するのか想定して決められる。

 バブル崩壊後、契約者に約束した予定利率を実際の運用利回りが下回り、逆ざやが生まれ、日産生命などが破綻した。分かりにくい保険会社の収益構造を知るうえで、少しでも多くの資料が開示されることには大きな意味がある。今回の生保8社情報開示により、逆ざやが各社とも続く一方、死差益が大きな収益源となってそれを大きくカバーしている収益構造が改めて明白になった。

 一方T&Dホールディングスは、傘下に置く3社の基礎利益と逆ざや額に加えて、独自にEV(エンベデッドバリュー)を公表している。

将来の収益を現在価値で測る

 EVは、「修正純資産」と「既契約の将来価値」を合計したもの。ここで言う修正純資産とは、評価差額金を除いた株主資本に、負債の部にある危険準備金や価格変動準備金などを加え、さらに有価証券と土地などの含み損益を加えたモノ。「既契約の将来価値」とは、3月31日現在で保有している契約が今後生み出していく税引き後の価値を、一定の運用利回りや解約率、資本コストなどを考慮して計算し、さらに現在の価値に割り戻した金額だ。

 EVは、主に欧州やカナダの保険会社で使われる「企業価値」を示す指標だ。臼井壮之介常務は「トータルでマージンがいくらかが大事。3つに分けることに意味はない」と説明する。T&D傘下の3社合計のEVは、1兆9928億円。前期より7944億円増加した。

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「T&Dホールディングス」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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