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大日本印刷

48年ぶりに2位に転落した業界リーダーの策

  • 高橋 史忠

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2006年6月15日(木)

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 印刷業界で長らくトップを独走してきた大日本印刷に異変が起きた。2006年3月期の連結売上高で48年振りにライバルの凸版印刷に追い抜かれたのだ。

 大日本印刷の前期連結業績は、売上高が前期比5.8%増の1兆5075億円、営業利益が同0.1%増の1206億円、経常利益が同3.5%増の1247億円と、いずれも過去最高を記録した。一方、ライバルの凸版印刷の前期連結業績は、営業利益が911億円、経常利益が934億円と大日本印刷より少ないが、売上高は1兆5482億円と大日本印刷を400億円ほど上回った。

 大日本印刷の営業利益率は8.0%と、凸版印刷の5.9%を上回り収益性ではライバルに勝るが、売上高で抜かれた。成長分野のエレクトロニクス事業で明暗が分かれたからだ。世界的な液晶パネルの単価落ち込みの影響を受けて、液晶パネルの画質を左右する重要部品であるカラーフィルターの価格が大幅に下落したことが響いた。財務担当の山田雅義専務は「今年の1~3月にカラーフィルターの製品単価が前年同期比で25%下がった」と話す。

 大日本印刷は4つの事業部門に分かれ、カラーフィルターはエレクトロニクス部門に属する。2006年3月期のエレクトロニクス部門は、カラーフィルターの単価下落の影響を受け、営業利益が前期比4.7%減と減益となった。

カラーフィルターに投資する理由

 エレクトロニクス部門は他の部門の中でも、大きな成長が期待できる事業だ。今期は新工場の稼働で収益力の回復を目指す。大日本印刷は今年の夏、福岡県北九州市にある黒崎工場で250億円を投じて増設した新しい生産ラインを稼働させる。黒崎工場は、カラーフィルターを製造する戦略拠点だ。今回増強するのは、大画面液晶テレビを主な用途とする第6世代の大型カラーフィルターの生産ラインだ。

 2006年後半には、同じ黒崎工場内に設置する次世代の第8世代ラインの稼働も控えている。これらの生産ラインがすべて稼働すれば、同社のカラーフィルターの月産能力は、2005年末の1.9倍に当たる1300万枚(14型換算)に増える。カラーフィルターで世界シェア首位の凸版印刷を追撃する態勢が整う。

 増設する生産ラインでは、業界初の製造技術を導入し、値下げ要求に対応するためのコスト削減にも挑戦する。プリンターなどで用いられている「インクジェット技術」である。カラーフィルターは、極小の領域を「赤」「青」「緑」の“光の3原色”で着色する。その着色工程を従来のフォトリソグラフィー(露光)技術から、インクジェット技術に変更することで着色材料の使用量などが減って、カラーフィルターのコストを約2割削減できるという。

 印刷事業を本業とする同社がカラーフィルターに積極投資する理由は、エレクトロニクス部門の収益性の高さにある。エレクトロニクス部門を含めて4つある同社の事業部門は、印刷事業を中心とした主力の「情報コミュニケーション部門」、包装材や産業資材を扱う「生活・産業部門」、傘下に置いた北海道コカ・コーラボトリングを通じて清涼飲料を製造販売している「清涼飲料事業部門」、そしてカラーフィルターや半導体フォトマスクなどの電子部品を扱う「エレクトロニクス部門」がある。

 2006年3月期の部門別売上高は、情報コミュニケーション部門が6624億円、生活・産業部門が4799億円、エレクトロニクス部門が2967億円、清涼飲料事業部門が764億円となる。だが、各部門の売上高営業利益率で見ると、この順番はがらりと変わり、エレクトロニクス部門が12.7%とトップになる。営業利益でもエレクトロニクス部門は、今や会社全体の3分の1を占める。中でもカラーフィルターは、液晶テレビの販売が世界規模で好調なことから、これから数年は大きな需要増が期待できる分野。売上高営業利益率も、部門全体の数字を上回っているとの見方が強い。これが積極投資の理由だ。  

「エレクトロニクス」が成長の源泉

 エレクトロニクス部門以外の部門でも大日本印刷は、エレクトロニクス関連の製品分野を持つ。ここ数年、同社の設備投資で目立つのは、いずれも収益性の高いエレクトロニクス関連の事業に対するものだ。昨年以降は、世界シェアで6~7割を占める液晶パネル用の反射防止フィルム(生活・産業部門)や、国内市場シェアでほぼ半分を占めるICカード(情報コミュニケーション部門)など、相次いで生産ラインを増強した。

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