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東京電力

原発設備トラブル隠蔽問題の後に潜む課題

  • 星 良孝

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2006年6月22日(木)

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 過去の重しがようやく取れても、安心できない。超安定企業の東京電力は、業績的には危機は感じられないが、安泰な未来とは言えない状況だ。

 引きずっていた過去の重しとは、2002年に発覚した東京電力の原子力発電所の設備トラブル隠蔽問題。問題発覚後の対応として、東電は原発の自主点検を続け、それにより2003年以降、原発の稼働率は他社より低迷している。九州電力などが80%程度を維持しているのに対して東電は66.4%にとどまった。

 原発の稼働率低下で、総発電電力量に占める火力発電の比率が相対的に高まっている。ここ最近の原油高騰で、火力発電はコスト増の要因になっている。2006年3月期の燃料費は前期比で2175億円増の1兆400億円となり、売上高の20%近い水準に高まった。

今期見通しは悪化

 自主点検は前期で一段落したことから、今期の原発稼働率は75%に上昇する見込み。増益効果は700億円にもなる。これらの状況を考えると、今期の収支見通しは前期より好転するように思われるが違う。2007年3月期の連結業績は売上高はほぼ横ばいで、経常利益は約270億円の減少となる見込み。

 前期に比べて今期の業績が低迷するのは、そもそも前期決算が特殊要因で高ぶれたしこともある。2005年から2006年にかけての厳冬による気温低下の影響で、暖房需要が高まり、販売電力量が前期比0.7%増の2887億キロワット時に増えた。しかも、年金資産運用の好転で人件費が減少したことなどにより、コスト減少が進み、純利益は40%近い増加となった。

 前期決算が“出来過ぎ”だったこともあるが、今期決算が低迷するのは、これから東電が対峙しなくてはならない課題を象徴しているとも言える。

原油高、円安が足をひっぱるが

 今期決算で大きな減益要因となるのは、原油高と円安の2つだ。今期の原油価格の見通しは1バレル60ドル程度。前期より約5ドル上昇で、450億円の費用増となる。為替の見通しは1ドル120円。前期の113.32円より7円の円安で、600億円の費用増と予想する。原油高と円安で1050億円の費用増で、原発の稼働率向上による700億円の費用低減効果を打ち消してしまう。

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