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ファナック

人手不足ほど勝機のキャッシュリッチ企業

  • 瀧本 大輔

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2006年6月26日(月)

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 富士山を仰ぎ、富士五湖の1つである山中湖に近接する山梨県忍野村。うっそうと生い茂る森の中に、ロボットが自動で部品を加工し、さらに完成品の組み立て作業まで行う最先端の生産ラインがある。ファナック本社の敷地内にある工場に設置された「ロボットセル」と「組み立てセル」である。

 この生産ラインでの主役は、センサーを駆使して自ら判断して動く多関節のアームを持った知能ロボットだ。ロボットセルでは、倉庫から自動的に供給される部品の素材を、ロボットのアームが取り出して工作機械の加工台にセット。部品の加工や洗浄などの作業を終えると、再びアームで取り出して倉庫に戻す。人であれば6~7人が必要だった作業は、ロボットの保守要員1人だけで済む。そのうえ、月間720時間の連続稼働が可能になった。

 同じようにロボットを使った組み立てセルでは、3台の知能ロボットが連携して、ファナックの主力製品の1つである小型ロボットを組み立てている。ロボットのアームが約50数点ある部品を順番に選び取って組みつけ、ネジの取りつけ、さらに締めつけていく。人手だと2時間で済む組み立て作業に2時間半かかるが、休み知らずで稼働できる強みがある。

 こうした知能ロボットを活用した無人の生産ラインは、ファナックが自社製の知能ロボットで推進している「工場のロボット化」の象徴だ。

工作機械の制御装置で世界トップ

   ファナックは1972年、富士通のNC(数値制御)装置部門が分離・独立し、富士通ファナックとして設立した。主力は、部品加工などに使う工作機械を制御するためのCNC(コンピューター数値による制御)装置だ。

 売上高に占める比率は55%にも達するうえ、世界トップシェアの地位を築いている。次いで冒頭で紹介したようなアーム状の産業用ロボットが、売上高の約28%を占める。この産業用ロボットは、今や自動車やデジタル家電などの生産ラインでは欠かせない存在だ。

   世界市場で圧倒的な地位を築いたこともあり、ファナックの業績は好調に推移している。2006年3月期の連結売上高は3810億円で、経常利益は1508億円。売上高営業利益率は36.9%に達し、3期連続で最高益となった。

 好業績を牽引したのは、主に自動車産業の設備投資。トヨタ自動車を中心に国内の自動車メーカーや関連企業が設備投資を積極的に進めてきたことが、工作機械の需要を増やし、結果的にファナック製CNC装置の受注増につながった。ロボットの売り上げが伸びたのも、やはり自動車業界で生産ラインの増強が続いたためだ。

   ファナックにとって期待できるのは、工場の自動化が進むことでロボットの需要が増えていく可能性が高いことだ。ゴールドマン・サックス証券の黒田真路アナリストは、「団塊世代の引退を控えるなど、今後は生産現場で人手不足になる可能性が高い。生産ラインの自動化で強みを持つファナックのような企業の業績が伸びそうだ」と見る。冒頭で紹介したような知能ロボットによる無人生産ラインは、大手メーカーなど一部で採用が始まっているようだ。

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