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「さあ、攻守逆転」成るか

改正薬事法で攻めるコンビニ、守るドラッグストア

2006年6月28日(水)

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 大衆薬(一般用医薬品)の販売規制緩和を柱とする改正薬事法が6月8日、国会で成立した。医師の処方箋が要らない大衆薬は現在、薬剤師を配置した薬局や薬店などでなければ販売できないが、今回の規制緩和で薬剤師がいなくても販売できるようになる。今後、諸条件の詳細を詰めて、2009年には解禁の見込みだ。

 「医薬品関連の規制緩和は長年の要望だった」(セブン&アイ・ホールディングス)、「我々の強みである緊急時の需要が見込める風邪薬や鎮痛剤を販売できるのは大きな魅力だ」(ファミリーマート)――。


 今回の規制緩和を待ち望んでいたのが、このところドラッグストアに押され気味のコンビニエンスストア業界だ。表にあるように、コンビニはこれまで、規制緩和で取り扱いが可能になった商品を次々と取り込んで店舗の収益力を高めてきた。切手や銀行ATM、酒類などがその代表だ。医薬品関連の分野でも、ドリンク剤の一部や医薬部外品に移行した整腸剤・健胃剤などの販売自由化はあったが、今回の規制緩和にコンビニ業界が寄せる期待の大きさは従来の比ではない。

コンビニはカウンター奥で勝負

 理由は3つある。まず、店舗の売り上げを押し上げる効果が大きい。野村証券金融経済研究所の正田雅史主任研究員は「コンビニの場合、栄養ドリンクの平均売上高が1日1店舗当たり4000~6000円。大衆薬は単価が高いこともあり、これと同等かそれ以上の売上高が期待できるはず」と指摘する。

 利益率の高さも魅力だ。大衆薬の粗利益率は一般に40%前後。2003年に販売が事実上自由化された発泡酒(最大で25%)に比べ15%も多い。30%前後というコンビニ全体の粗利率をも大きく上回る。


 店舗スペースの活用上も利点がある。今回の改正薬事法では、図の通り、大衆薬を副作用のリスクに応じて新たに3つに分類し、個別に販売条件を定めた。医療用医薬品から大衆薬に転用する「スイッチOTC」など「特にリスクの高い」A分類は、薬剤師による販売が義務。一方で、「リスクが比較的高い」B分類と「リスクが比較的低い」C分類については、新設資格の「登録販売者」による販売を認める。

 風邪薬や鎮痛剤、胃腸薬などかなりの品目の大衆薬がB分類やC分類に入る見通しで、コンビニでは登録販売者の資格を取得し、B分類やC分類を販売する店が主流となりそうだ。

 この中で、ライオンの「バファリンA」や武田薬品工業の「ベンザブロック」など、売れ筋の大衆薬が多いB分類は、顧客に情報提供を行えるよう、カウンター越しでの販売が「努力義務」となっている。客が手を伸ばせない場所での陳列が望ましいと定めている。

 コンビニにとってはこの規定がプラスに働く。なぜならば、コンビニの販売商品は1店舗当たり2500~3000種類あるが、客の手が届かないレジカウンター奥は、贈答菓子やゲーム、たばこなどが並ぶ程度で、最もゆとりのあるスペース。売上高が伸び悩む中、ほかの商品を棚から押し出さずに新商品を販売できるのは好都合だ。

 「登録販売者の詳細が明らかになっていないので、取扱店舗数は読めない。ただ、小ロットの薬でいい単身者を中心に、ドラッグストア利用者の一部もこちらに流れるはず」(大手コンビニチェーン)。コンビニは長らく、大衆薬の高い利益率を元手に食品を安売りするドラッグストアにお客を奪われてきた。今度はコンビニが攻めに回る。

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「「さあ、攻守逆転」成るか」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長