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旭硝子

苦境続くガラス業界の盟主

2006年7月6日(木)

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 ガラス業界の盟主、旭硝子が業績低迷の苦境から抜け出せずにいる。2005年12月期、連結売上高こそ前年同期比3.5%増の1兆5267億円としたが、営業利益は15.2%減の1182億円。純利益に至っては23.3%減の600億円にとどまった。記録的な原材料高に加えて、これまで旭硝子の成長を支えてきた電子・ディスプレー事業の一角を占めるCRT(ブラウン管)用ガラス事業の急速な悪化が主因だ。

 2004年後半から2005年前半にかけてCRT用ガラスの需要の落ち込みは会社予想を大きく超えるペースで進行した。価格の安さから、CRTの需要はまだ底堅いと見ていた中国やロシアなどの新興市場でも、FPD(薄型パネルディスプレー)への需要シフトが速いペースで進んだためだ。この急激な変化に対応しきれず、旭硝子の対応は完全に後手に回った。

 「国内のCRT用ガラス生産から撤退する」と旭硝子がようやくリストラ策を発表したのは、不調が誰の目にも明らかになってから半年以上が過ぎた昨年10月3日のこと。それも「2006年3月までは生産を続ける」という中途半端な内容だった。旭硝子と並ぶ大手CRT用ガラスメーカーである日本電気硝子(株価)は、昨年9月にはCRT生産から完全に撤退しており、旭硝子が改革に及び腰との印象を、逆に強める結果となった。

好調さが、かえって遅らせる

 苦境は、今期に入っても続いている。5月11日に発表した2006年度第1四半期決算では、営業利益、純利益ともに前年同期の実績を下回り、前期9億円の営業赤字だった北米事業の業績はさらに悪化。赤字額は16億円に拡大した。

 業績の回復が遅れていることを反映して、株価も今年前半には1600~1800円のボックス圏内の動きに終始した。4月中旬以降には日経平均株価の急落と歩調を合わせるように下落。このところは1400円近辺に落ち込み、上値は重いままだ。

 業界ナンバーワン企業の低迷の理由について大和総研の安藤祐介シニアアナリストは、「ここ数年の電子・ディスプレー事業があまりに好調だったために、かえって事業改革のスピードが遅くなったためではないか」と語る。

 旭硝子は液晶テレビ用ガラス基板では世界シェア3割を握り、米コーニングに次ぐ2位につける。もう1つの柱であるプラズマテレビ用ガラス基板では9割を握る首位の座を維持。この2つの事業で営業利益の過半を稼ぎ出してきた。薄型テレビ向けの需要自体は今も堅調で、製品価格の下落にもかかわらず、利益率も安定している。ガラス基板を供給できるメーカーが数社に限られる寡占状態が続いているからだ。

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「旭硝子」の著者

安倍 俊廣

安倍 俊廣(あべ・としひろ)

日経デジタルマーケティング編集長

1990年東京工業大学卒、同年日経BP入社。「日経コンピュータ」「日経情報ストラテジー」「日経ビジネス」で記者。「日経ビジネスアソシエ」副編集長、「日経デジタルマーケティング」副編集長などを経て、2015年7月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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