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ゼロ金利解除で始まる不幸せの時代

通常に戻る日銀と世の中の関係

2006年7月14日(金)

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 日銀は14日、ゼロ金利政策の解除を決定した。この決定は福井俊彦総裁と政府、市場、あるいは世の中にとって、これまでの「幸せな時代」が完全に幕を下ろすことを意味する。村上ファンドへの1000万円の資金拠出問題は、とりあえず関係ない。福井総裁にとっては確信犯的に足を踏み入れた「不幸せの時代」が今、幕を開けようとしている。

 ここで少し遠回りをして、福井総裁が誕生した2003年3月を振り返ってみよう。

 総裁就任の辞令が交付された同月20日、国会内で各会派へのあいさつ回りをしていた福井総裁は、1階の通路に降りると渡部恒三副議長(当時)に出くわした。

 国会内のしきたりによって、衛視に通路の端に寄るように命じられた福井総裁。少しは不機嫌な表情を見せるかと記者は福井総裁の顔をうかがったが、そこに浮かんでいたのは、いたずらを見つかった子供のような屈託のない笑顔であった。

 その後、首相官邸に出向き、記者団に囲まれた福井総裁は、そこでも笑顔を崩さなかった。総裁になれたうれしさを抑えても抑えきれないというふうに周りからは見て取れた。

政府に借りができたのか

 そこに危うさを感じる人も多かった。笑顔で記者の質問に応じる福井総裁の姿をテレビで見た日銀OBは「これは政府に借りができたな。日銀は道を踏み誤るのではないかな」と思ったと言う。政府と日銀の利益相反、緊張関係を当然と考えていた伝統的な日銀マンにとっては、そうした受け取り方が自然であった。

 実際はどうだったのか。

 福井総裁は政府とうまく連携をとりながら、デフレ脱却のための策を矢継ぎ早に打ち、成果を上げていく。マスコミは救世主のように福井総裁を持ち上げ、政府も市場もスピード感のある金融政策運営に拍手を送った。

 日銀OBの心配は杞憂に終わり、福井総裁と政府、市場、世の中のすべての人々が「幸せな時代」を謳歌した。日本経済がデフレスパイラルの瀬戸際に追い込まれ、日銀が綱渡りのような政策運営を強いられた2003~04年頃が、逆説的ではあるが、福井総裁にとって最も幸せだった。

 おそらく日銀総裁が世の中から喝采を浴びるというのは、日銀の歴史の中でも極めて稀なことではなかったか。インフレファイター、景気の引き締め役として嫌われることが役割である日銀総裁にとって、それは望外のことであったはずだ。

 デフレの時代にあっては、世間の嫌われ者の役割を捨て、むしろ政府と協調してバブルをでっち上げるような、そんな“英雄”的な役割が求められる。就任当初の笑顔を絶やすことなく、福井総裁はそのことを軽やかに体現してみせた。

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