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商船三井

リスク取って船隊を積極増強

  • 永井 央紀

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2006年7月20日(木)

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 四方を海で囲まれた日本には、日本郵船株価、商船三井、川崎汽船株価という3つの大手国際海運企業が育った。事業規模から日本郵船が代表格に挙げられやすいが、実は収益力では商船三井が断然トップに立つ。

 2006年3月期連結業績は売上高が前期比で16.5%増の1兆3667億円、経常利益は同0.9%増の1765億円。燃料価格の高騰でライバルの日本郵船、川崎汽船が経常減益になる中、小幅ながらも増益を達成し、過去最高益の記録を塗り替えた。

 主因は船隊増強策の成功だ。2004年3月期に645隻だった船隊規模は、2006年3月期末には728隻に拡大した。この3年間はちょうど、中国を中心に世界の荷動きが急増し、船が不足するほど海運が活況を呈した時期だ。日本郵船が荷主の発注に応えるために用船(他社から借り上げる船)を手当てしなければならなかったのに対し、商船三井は新造した自社船が一気に稼働した。新船投入は絶妙のタイミングだった。

 海運に陸運と空運を組み合わせる総合物流化を目指す日本郵船に対して、商船三井はあくまで海運での強さにこだわる。こうした戦略から、商船三井は船隊拡大を当面続ける予定で、2010年3月期には900隻まで増やす。その間の設備投資額は数千億円に上る見込みで、今期だけでも1100億円を計画する。

 積極投資に伴って増えるのが有利子負債。前期末は5714億円で、2年間に800億円増えた計算だ。2007年3月期末は前期末から横ばいの5700億円の予想だが、従来の中期計画から比べると1900億円も多い。

 営業キャッシュフローが潤沢(前期末で1639億円)なため、投資額の割には有利子負債は増えておらず、財務状態も悪化していない。資金調達ルートを多様化するため、この3月には船舶建造費用を目的として500億円の転換社債型新株予約権付社債も発行した。

内部留保か配当性向か、積極投資を進めるうえで葛藤

 ただ、株主の方を向けば、配当性向をどう考えるかという葛藤を抱える。商船三井が経営目標とする配当性向は20%。前期の数字だけ見れば、より多い配当も可能に見える。「20%から引き上げようと目指してはいるが、今後数年間は積極的な設備投資が続くため内部留保も手厚くしたい」という。

 株価はこの2月に業績下方修正してから「海運市況が悪化した」との認識が広がり、急落。1月に1100円を超えていたのが、700円台まで落ち込んでいる。同じ期間に日本郵船の株価も20%ほど下落しているが、商船三井株の方が大きく売り込まれている状況だ。株価と財務をにらんで、悩ましい局面が続きそうだ。

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