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日銀はゼロ金利解除で自らの手足を縛った

今の金利水準は低すぎる

  • 高橋 史忠

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2006年7月19日(水)

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 日本銀行は7月14日の金融政策決定会合で、短期金利をほぼゼロに抑え込む「ゼロ金利政策」の解除を決定した。ほぼ6年ぶりの政策金利の引き上げは、日本経済にどのような影響をもたらすのか。変化の激しい経済環境下の金融政策を今後どう進めるべきか。元大蔵省財務官で、現在は早稲田大学インド経済研究所所長を務める榊原英資氏は、連続利上げに慎重な態度を強調した日銀の姿勢に対して、自らの手足を縛る行為は慎むべきだと指摘する。

(聞き手は高橋 史忠)

 ―― 今回の日銀によるゼロ金利政策の解除をどう見るか。

榊原英資(さかきばら・えいすけ)氏
1941年生まれ。東京大学経済学部卒。同大大学院修士課程修了後、65年大蔵省入省、97年財務官。99年退官。慶応義塾大学教授を経て、2006年4月から早稲田大学インド経済研究所所長。(写真:川口 愛)

 今回のゼロ金利政策解除は、適切な判断と見ている。だが、「当面は金利を低く抑える」という趣旨の声明で日銀が連続利上げに慎重な姿勢を見せたことは、評価できない。

 日銀の声明や福井俊彦総裁の発言を素直に読み解けば「追加利上げの実施は早くとも年末以降」ということだろう。だが、仮に年末までの数カ月で日本経済を取り巻く環境に大きな変化があったらどうするつもりなのか。現代は、世界的な構造変化の時代に突入し、しかもそのスピードが以前にもまして激しく動いている。流動的な時代に、日銀が自らの手足を縛って臨機応変に動けないようなルールを設定することが賢明な行動だとは思えない。しばらく利上げしないというような言い方ではなく、「今後の状況を注視する」という程度にとどめるべきだったのではないか。

 そもそも、日本経済の回復、企業業績から言えば、本来は2~3年前に利上げを実施すべきだった。2000年8月のゼロ金利解除は明らかに時期尚早で失敗に終わったことに「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」状況に陥り、利上げの決定時期が遅れてしまった。さらに一種のインフレターゲット論に支配されて、デフレ脱却が着実に進まない状況で利上げの道を自ら閉ざしてきた。

 これは間違い。中央銀行というものは、何かにコミットされてはならないこと。前FRB(米連邦準備理事会)議長のアラン・グリーンスパン氏の手腕が評価されているのは、コミットせずにメッセージを送り続けてきたからだ。日銀が、連続的な利上げに対して慎重になっているのは、インフレターゲット論に全部とは言わないが半分コミットしているからだろう。

 インフレターゲット論は、貨幣の定義が変わってきた時代には、もはや過去の産物というのが私の認識だ。その意味で、デフレ脱却を理由に金融政策が支配されることは、見直されるべきだ。実際、デフレという一方でカネ余りが生じ、日本経済に部分的なミニバブルが起きている。

 ライブドアや村上ファンドの事件は象徴的な現象だ。不動産業界でも「REIT(不動産投資信託)バブル」とも言える状況になっている。これらを日銀だけの責任として押しつけるのは酷だが、今後は適切にカネ余りの状況を正していくべきだ。

 ―― 累積債務が増え続けている国の財政運営への影響を不安視する見方もある。

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