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磁気ヘッドに続く収益源の育成急ぐ

2006年7月24日(月)

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 会社の「変身ぶり」を印象づけるのに、トップの交代に勝るものはない。TDKは今年6月、澤部肇社長が会長となり、48歳の上釜健宏社長へと一気に16歳も若返った。

 新社長の上釜氏はHDD(ハードディスク駆動装置)用磁気ヘッド事業を世界シェアトップに押し上げた立役者だ。「磁気ヘッド事業を成長させるには、顧客や市場の最新情報が入ってくる製造・販売拠点にいるのが一番」と、社長就任直前まで香港の製造拠点に18年間にわたって駐在を続けてきた異色の経歴を持つ。

 2001年にHDD用磁気ヘッド事業の総責任者に就くや、4年間で売上高を2倍以上に伸ばした。世界シェアは現在、36%に達している。

赤字の記録メディア製造撤退で成長にシフト

 「選択と集中」によって、今後の成長戦略の方向性が明確に定まったことが社長交代の背景にある。TDKといえばカセットテープ以来、記録メディアの印象が強かったが、今年3月、価格の下落で赤字に陥っていた記録型DVD、CDの製造から撤退した。

 一方で、連結売上高の約4割を占める磁気ヘッド事業のほか、チップコンデンサーとインダクター(コイル)という第2、第3の柱と目する電子部品事業に経営資源を集中させることで、2007年3月期に連結営業利益率10%の達成を目指している。

 磁気ヘッドはパソコンやDVDレコーダーのほか、携帯音楽プレーヤー向けなどで需要の拡大が続いている。磁気ヘッドメーカーはTDKを含み世界の主要6社が大半のシェアを握る。このうち4社は米シーゲート・テクノロジーなどといったHDDの製造会社で、基本的に自社のHDD製品ために内製化している。外販しているのはTDKとアルプス電気の2社のみで、TDKは現在、アルプス電気の約2倍のシェアを確保して引き離している。

 だが、昨年、磁気ヘッドを内製しているHDD最大手のシーゲートが、TDKの大手顧客であるHDDメーカーを買収した。この影響で今期のTDKの磁気ヘッド事業の売上高は、前期比で10%の減益となる見込みだ。

ノイズ除去部品に期待をかける

 その穴をチップコンデンサーとインダクターがどれだけ埋められるかが今期の業績に影響を与える。とりわけ、データ信号の伝送時などに生じるノイズを抑制する部品、インダクターは2006年3月期、売上高約600億円と、ようやくIT(情報技術)バブル崩壊以前の水準に戻したところ。

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「TDK」の著者

西頭 恒明

西頭 恒明(にしとう・つねあき)

日経ビジネス副編集長

1989年4月日経BP社入社。「日経イベント」を経て、96年8月「日経ビジネス」編集部に異動。2008年10月日経ビジネス副編集長。2009年1月日経情報ストラテジー編集長。2012年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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