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第3極つぶしは許さない

三輪正明・北越製紙社長がTOB拒否の論理を激白

2006年7月31日(月)

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 7月23日に業界最大手の王子製紙が中堅の北越製紙の株式の過半数をTOB(株式公開買い付け)で取得すると発表、製紙業界の合従連衡が再び動き出した。三菱商事を引受先とする第三者割当増資を実施し、TOBを拒否する構えの三輪正明・北越製紙社長に聞いた。

  王子のやり方に怒り、徹底抗戦の構えだが、勝算はあるのか。

  業界再編がいかにも正義だという風潮がある。再編さえすれば企業価値が高まり、株主に価値を提供できるという考え方だ。資本の論理を否定はしないが、その陰には常に従業員のリストラがある。それが正道だろうか。

 23日、(北越の)労働組合の委員長から「TOBなんてとんでもない。もしそうなったら一緒になって戦いますよ」という、うれしい言葉をもらった。従業員と会社の一体感というのは日本の製造業として一番大事なことではないか。大きくなれば力がつくという単純な考え方でいいのか。もちろんステークホルダーの中心には株主を据えるが、根元のところは人だと思う。

2強のやりたい放題でいいか

  世界を見ると日本の製紙会社は一つひとつの規模が小さい。王子と日本製紙グループ本社の2強に再編すべきという考え方に説得力はないか。

  2強になれば、第三者をコントロールできるだろう。価格などあらゆる面で力を行使でき、そうした事態を憂えるお客さんの声も聞こえている。

 我々の規模が小さいというのはその通りだが、(規模が大きい)日本の総合メーカーも品種ごとに見れば個々には強くない。我々は塗工紙では日本のナンバーワンであり、国際競争力もある。得意のところを伸ばしていくという考え方があってもいい。

  三菱商事の出資を受けると発表したのが7月21日。敵対的TOBを事前に察知しての防衛策とも見える。

  それは勘ぐりだ。紙の国内需要の伸びは期待できないから我々は海外に打って出る。そのために三菱商事と組んだ。三菱商事も紙パルプ事業はそれほど強くないから、北越と組んで起死回生の手を打った。三菱商事と正式に資本関係ができれば、向こうには三菱製紙がいるわけで、大きな意味でのグループ化、第3勢力の形成というのは当然考える。第3極がないと業界のバランスが崩れるから、我々は頑張らなくてはならない。

  王子製紙は、かねて北越に経営統合を打診していたと主張している。

  王子さんとのつき合いは古いから、その種の申し入れは何度もあった。今回もその1つと思ったが、いきなりTOBで子会社化だとか、自分たちの戦略に取り込んで当社の(最新の抄紙機を2008年に稼働させる予定の)新潟工場をどうするとかは、ありがた迷惑な話。ひどいじゃないかと。

 あちらは新潟工場のことばかり言っているが、ウチにはほかに2つ工場がある。ほかは切り捨てて新潟だけくれというのではあんまりだ。高級白板紙ではウチと王子を合わせると国内シェアが50%を超えて独占禁止法の問題が出てくるが、それについても触れていない。議論の余地がない話だ。

  三菱商事と北越製紙の資本提携で製紙業界に第3勢力が生まれることを嫌った王子が、TOBで楔(くさび)を打ち込んだと見ることもできる。

  相手の心の内は分からないが、もし仮に第3勢力を否定しようとしているのだとしたら、許し難い。小さくても健全に、地方で一生懸命モノを作っている会社はたくさんある。その存在を否定したら、日本の製造業の根底が覆る。今回の事件は日本の製造業全体に関わる問題だと思っている。失礼かもしれないが、北越や大王製紙の工場の生産性は王子より高い。

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「第3極つぶしは許さない」の著者

安倍 俊廣

安倍 俊廣(あべ・としひろ)

日経デジタルマーケティング編集長

1990年東京工業大学卒、同年日経BP入社。「日経コンピュータ」「日経情報ストラテジー」「日経ビジネス」で記者。「日経ビジネスアソシエ」副編集長、「日経デジタルマーケティング」副編集長などを経て、2015年7月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

細田 孝宏

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経ビジネス 副編集長

1995年早稲田大学卒業。日経BPに入社し、日経ビジネス編集に配属される。日経アーキテクチュア編集、日経ビジネス・ニューヨーク支局長などを経て現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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