• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

キーエンス

汎用品で儲ける合理経営

2006年9月15日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 大阪市東淀川区にあるキーエンスの応接室や会議室には、至る所に化石のオブジェが置いてある。「絶えず新商品を出し続け、変化に対応できなければ、やがて化石となって取り残される」という意識を常に社員に持たせるためだ。

 同社は、FA(ファクトリーオートメーション)向けのセンサー開発を主力事業にする。製品の約3割は過去2年以内に発売された新製品。「そのほとんどが、世界初、または業界初」と森眞一取締役事業支援部長は誇らしげに語る。1972年の創業以来34年、絶えず新製品を生み出し続けてきた。

 形、色、サイズなど、商品の“健康状態”をチェックし、不良品を検出するセンサーは、工場の製造ラインには不可欠な製品になった。人手に頼っていた不良品検出をセンサーが代替することで、生産性も向上する。液晶・半導体、電機精密、自動車、機械、食品――。今や、ものづくりに携わるあらゆる国内製造業の工場に、キーエンスのセンサーが入り込んでいる。

高い収益力、安定した財務基盤

 強さは業績を見れば一目瞭然だ。2006年3月期の連結決算は、売上高が前期比14%増の1582億円、営業利益が同12%増の814億円。営業利益率は実に51.5%を誇る。財務基盤も盤石だ。2006年3月期の流動比率は818.8%と安全とされる200%を大きく上回る。自己資本比率は90.8%、利益剰余金は2940億円と総資産の約半分の水準に達する。

 潤沢な利益準備金が示すように、キーエンスは営業利益率40%以上の水準を、実に過去7期にわたって続けてきた。安定した高い収益基盤には株式市場の評価も高く、野村証券の分析では、2007年3月期の予想PER(株価収益率)は23倍と、機械セクター39社平均の同19倍をしのぐ。事業利益が投下資本に占める割合(事業の儲けの度合い)を測るROIC(投下資本利益率)は104%(2007年3月期予想)と、セクター平均の同21%を大幅に上回る。

 キーエンスのROICが高いのは、生産設備を自社でもたないファブレスであることも大きいが、それだけではない。強さの秘密は徹底した合理経営にある。

カスタマイズせず、徹底して自社製品を学ぶ

 販売するセンサーはすべて、同社が「標準品」と呼ぶ汎用商品。いわゆるカスタマイズ品と呼ばれる、企業ごとに作り込む製品はあえて作らない。あらゆる業種や規模の企業に売り込める標準品の開発に力を注ぐことで、無駄なコストはかけず、収益性を高めている。

コメント0

「NB100」のバックナンバー

一覧

「キーエンス」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

誰もやらない領域を根気強く続けられるかが成功の秘訣。

田坂 正樹 ピーバンドットコム社長