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金融庁、念願達成へ深謀遠慮

上限金利下げで始まる貸金業界再編

  • 石川 潤

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2006年9月20日(水)

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 上限金利の引き下げを柱にした規制強化で1万社を超える既存の貸金業者を大規模な再編に追い込み、銀行の個人ローン強化の動きにも合わせて業界全体を再構築していく――。

 規制強化を盛り込んだ貸金業規制法改正の議論が大詰めを迎え、金融庁のこんなシナリオがあと一歩で実現するところまで来ている。

 深刻な多重債務問題への同情と、不祥事を繰り返してきた節操なき貸金業者への怒りという世論が追い風だが、金融庁が打ってきたしたたかな手も見逃せない。

 「議論はますます拡散している」(金子一義・自民党金融調査会長)

 「いや、だいぶ接近してきているようだ」(加藤紘一・自民党元幹事長)

 9月11日午後、東京・永田町の自民党本部。貸金業への規制強化を議論する合同部会が開かれた704会議室を出入りする党幹部の現状判断は目まぐるしく変わり、議論の混迷ぶりを映し出した。

 自民党では既に、(1)出資法の上限金利(29.2%)と利息制限法の上限金利(15~20%)の間のグレーゾーンを廃止する、(2)廃止後の上限金利は利息制限法程度にまで下げていく――ことでは大筋合意していた。

 ただ、金利を一気に引き下げるのか、段階的に引き下げるのか、特例措置(少額短期の融資に限り数年間は高めの金利を適用)を認めるのかを巡って意見が対立。例外なしにできるだけ早く金利を下げたい若手議員と、激変緩和のための手立てを求めるベテラン議員が互いに譲らず、落としどころが見えにくくなっていた。

 秋の臨時国会に貸金業規正法の改正案を提出する日程をにらめば、残された議論の時間はわずか。これまで議論をリードしてきた金融庁は土壇場で大きな壁に直面したようにも見えた。

壊し屋が議論をリード

 金融庁で今回の議論を取り仕切っているのが、総務企画局の大森泰人参事官。証券市場のルール整備や消費者保護を重視した金融商品取引法の成立に力を尽くした能吏である一方、既存秩序の破壊者としても知られる。

 東京証券取引所が産業再生機構入りしたカネボウの上場廃止を決めた際には、市場課長という立場にありながら「子供の判断」と東証を痛烈に批判。その強面ぶりが金融界に大きな波紋を広げた。

 「我々は10年後に歴史的な評価を受ける」

 大森参事官は最近、こんな言葉を漏らしているという。

 大森参事官が意気軒昂なのには理由がある。迷走を続けているように見える今回の規制強化の議論だが、よくよく目を凝らしてみれば、グレーゾーンを廃止して利息制限法の水準まで上限金利を下げるという金融庁シナリオの本筋は既に固まっている。自民党内の意見対立は特例をどうするかという「枝葉」にとどまっているとも言える。

 もちろん、金融庁にしてみれば、議論がまとまらずに法案そのものが立ち消えになれば、元も子もない。ただ、業者側からも「来年の参院選を控えた自民党が、有権者の共感を得やすい法案をあえて葬るだろうか」という諦めの声が漏れる状況では、そうした可能性も目に入りにくくなっている。

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