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シマノ

自転車業界の“インテル”に異変

2006年10月2日(月)

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 今の株式相場が求めているのは、過去の成功シナリオや将来の夢ではない。1年後の計画を着実に遂行する力だ。優良企業も決算発表で下方修正をすれば、否応なく売られ続ける--。“自転車業界のインテル”の異名を持つシマノ(7309)もその洗礼を受けた。

世界各国で展開する成功の方程式

 シマノが「インテル」に例えられるのは、競技・スポーツ用の自転車の中枢部品である駆動系、制御系パーツで圧倒的なシェアを持っているからである。コンピューターではMPU(超小型演算処理装置)で性能が大きく変わるように、シマノ製パーツのグレードで自転車の重量やスピード、取り扱いやすさが変わり、完成車の値段も変わってくる。

 シマノがユニークなのは、自転車の部品を別々に開発するのではなく、ブレーキから変速機まで1つのシステムとして開発していることだ。複数のメーカーの自転車部品を集めて組み立てるよりも、シマノのパーツを一括で揃えて組み込んだ方がより高い性能を発揮できる。このことから完成車メーカー、自転車販売店、一般消費者がセットになっている部品を求める。

 1990年代には自転車レースの本場・欧州のプロレースの上位に食い込むチームの大半がシマノのシステムを採用し始めたことから、イタリアのカンパニヨーロに並ぶ世界的なブランドとしても認知されてきた。現在は、競技や高級スポーツ車の駆動系部品では世界シェア8割を誇る。圧倒的なシェア、簡単には真似できない自転車部品事業の売上高利益率は高く、この3年ほどは15~22.8%で推移。1ケタ台も珍しくない機械部品メーカーの中では群を抜く存在だ。

 第2の柱である釣り具事業もトップを走る。国内ではダイワ精工(7990)を追う2位の立場ではあるが、米国ではシェア20%とトップブランドになった。自転車部品、釣り具ともシマノの戦略は一貫している。

 その方法は、まずは「シェア拡大」を念頭に置いた製品投入と販促活動をする。そして「高機能品の投入」「既存ユーザーを対象にした買い替えの促進」へと展開していく。製品単位、市場単位でこのサイクルを回し続けることで、世界各国での売り上げを積み上げていくのが、シマノの成功方程式だ。

業績悪化、通期見通しを下方修正

 だが、今年のシマノの株価は5月2日の3820円(取り引き中高値)をピークに底値を探る展開が続いている。8月23日には前日比240円安の3340円。6%もの下落は上場株式(大証)の中で、最も株価が下落した銘柄となった。

 大幅な下落の引き金となったのが、前日8月22日に発表した通期計画の下方修正だ。2006年6月中間期の連結決算では、売上高こそ微減にとどまったが、経常利益は90億円と前年同期比で34%も減少した。

 その結果、通期の見通しは売上高は前期比1%減の1660億円(従来予想は1640億円)とほぼ横ばいを維持するが、経常利益は同17%減の215億円(従来予想は240億円)へと引き下げざるを得なくなった。

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「シマノ」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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