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日産が国内生産へ回帰?

否、進化したグローバル生産の帰結です

  • 川原 英司

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2006年10月3日(火)

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 10月1日付けの日本経済新聞朝刊1面に、「日産自動車が北米現地生産車の一部を日本での生産に切り替える」という記事が掲載された。

 多車種少量生産技術に優れた日本国内で生産して輸出する方が収益力向上につながると判断。2008年から2009年にかけて、キャントン工場(ミシシッピ州)で生産するミニバン「クエスト」の生産を九州工場に、SUV(多目的スポーツ車)である「インフィニティQX56」を日産車体に移管。北米では、ピックアップトラックのモデルを増やすという。

 これをもって、製造業の国内生産への回帰、空洞化の逆流などと考えるのは短絡的というものだ。日産があえて今、日本での生産に切り替える理由を4つの視点で考察してみよう。

コストだけにあらず、まして浪花節の出る幕なし

 第1に、この現象は日本生産への逆戻りではなく、グローバル生産ロジスティクス(製造から販売に至るモノの流れを管理すること)が進化したものだという視点である。

 日本の自動車メーカーのグローバルな車両生産ロジスティクスは、実は「ローカル化」と「グローバル化」を相互に繰り返しながら進化してきた。初期段階における現地生産は、様々な現地化の要請(貿易摩擦、規制、関税、円高など)に対応するため、現地調達率をいかに高めて「ローカル化」を進めるかが重要課題となる。

 そのうちに、市場は量的にも質的にも変動し、現地生産のキャパシティと現地需要のミスマッチが生じてくる。それを解決するために、地域間の相互補完などグローバル生産ロジスティクスを最適化させる「グローバル化」が進む。

 さらに、各現地工場のオペレーションが進化してくると、課題が具体化してまだまだ改善の余地があることが分かってくる。この段階に入ると、各工場の生産車種、混流状況、労働者の質、サプライヤーの状況などを反映した「ローカル最適化」が進んでいく。

高度な段階に入ったグローバル生産の進化

 例えば、ベトナムでコンセプトが生まれたとも言われているトヨタ自動車の車体溶接工程の「GBL(グローバルボディライン)」や、台湾に端を発するとも言われる車両組立工程の「SPS(セットパーツサプライ)」などは、現地の状況に適応することによって進化を遂げた多品種少量の生産ラインとして有名である。

 このようなローカルに進化した様々な生産方式は、グローバル規模で配置されたほかの工場の環境に応じて横展開され波及していく。さらに進化すると、そのような各工場の特性を加味した上で、どこでどの製品を作るのが最適かという「グローバル最適化」の発想が出てくるのだ。

 今回の日産のケースは、日本の工場の生産体質と、移管する2車種の特性ががっちり適合したものとも言える。移管の時期は2008~09年である。時間がかかるのは、クエストなどで採用されている北米サプライヤー製の大規模モジュールなどを日本での供給に切り替えていく必要があることなどが考えられる。グローバル生産再編は、関係他社も含めて多くの調整が必要となる。

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