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凸版印刷

業界トップを奪った印刷大手の大いなる課題

  • 高橋 史忠

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2006年10月5日(木)

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 前期(2006年3月期)、1958年以来48年ぶりに印刷業界トップに立った凸版印刷。過去最高の売上高1兆5482億円を記録し、長らく業界トップだった大日本印刷の売上高を400億円ほど上回った。

 フリーペーパーやチラシの印刷などが好調な主力の印刷関連部門の売上高が2005年3月期に比べて9.2%増と堅調に伸びたことに加えて、成長分野のエレクトロニクス部門が同じく17.9%の大幅な増収となった。特にエレクトロニクス部門は、2000年6月に就任した足立直樹社長の下で大日本印刷に先駆けて仕掛けてきた積極的な攻勢が功を奏した格好だ。

 エレクトロニクス分野の牽引役は2つの世界トップシェア商品である。1つは、液晶パネルの画質を左右するカラーフィルター。現在、35%の世界シェアで2位の大日本印刷とほぼ市場を二分している。液晶大手のシャープと二人三脚で市場を立ち上げ、2002年には台湾で生産子会社を設立。液晶パネルで世界上位の台湾メーカーに食い込んだ。

 もう1つのトップシェア分野は、LSI(大規模集積回路)の回路原盤であるフォトマスクだ。2004年に世界第3位だった米デュポンフォトマスクを買収。当時世界でトップを走っていた大日本印刷を抑えて、世界シェア4位から一気にトップへと躍り出た。

 内需産業で国内にこもりがちな印刷会社としては異例とも言える海外進出と、M&A(企業の合併や買収)戦略が、凸版印刷を前期、業界トップに押し上げる原動力となった。今や、エレクトロニクス分野は、収益性と成長性では主力の印刷事業を上回る勢いの事業にまで成長している。

収益性の向上が次なる課題に

 ただし、凸版印刷に長年にわたる悲願達成の余韻に浸る余裕はまだなさそうだ。収益力の向上という次なる成長課題への取り組みを迫られているからである。

 前期の売上高では大日本印刷を上回ったが、凸版印刷の売上高営業利益率は5.9%と、大日本印刷の8.0%に比べて見劣りする。前期のROE(株式資本収益率)は1.9%で2005年3月期の5.4%から3.5ポイント低下。前期ROEが6.3%の大日本印刷に差を広げられた。

 10月2日時点での連結予想PER(株価収益率)は28.2倍と、大日本印刷の34.5倍を下回る。凸版印刷が社内で目標とするROEは8~9%。これを実現するには、経営の効率化をこれまで以上に推し進める必要があるという証券アナリストの声は多い。

 大日本印刷との収益格差を縮めるカギはエレクトロニクス部門にある。既に主力の印刷関連部門では業務改革に着手。チラシやカタログなどの商業印刷と、雑誌や書籍などの出版印刷の生産統合などによるコスト削減策で収益性は向上している。印刷関連部門では、前期の営業利益が2005年3月期から24.7%と大きく増え、営業利益率は7.1%と0.8ポイント向上した。

 一方、エレクトロニクス部門の営業利益は前期306億円と2005年3月期から23.1%の大幅減。営業利益率は8.9%と2005年3月期から4.8ポイント悪化した。ほぼ同じ商品群を抱える大日本印刷の前期営業利益率は同じく2.0ポイント減の12.7%で、前期は同部門の営業利益率の差が開いた形だ。

 主因は、薄型テレビの単価下落でカラーフィルターの収益性が悪化したことと、背面投射型(リアプロジェクション)テレビ向けの表面フィルム「FCスクリーン」の売り上げが落ち込んだこと。このうち、FCスクリーンは搭載する背面投射型テレビの市場自体が縮小傾向にあり、「今後も収益はマイナスの方向」(経理担当の副島豪常務)だ。

積極投資と提携でカラーフィルターの成長をうながす

 収益性を上げるため、凸版印刷は、積極的な設備投資でカラーフィルター事業の収益を増やす方針だ。単価の下落を量でカバーする戦略を取る。

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