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日産・ルノー、GMとの提携交渉決裂

業界再編に益なし、決裂は日本メーカーを利する

  • 坂手 康志

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2006年10月6日(金)

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 日産自動車・仏ルノー連合と米ゼネラル・モーターズ(GM)の提携交渉が破談した。元々、GMの大株主で、投資会社トラシンダを率いる米投資家カーク・カーコリアン氏の要請によって始まったこの提携協議に、GMは最初から消極的であったとされている。

提携のメリットはほとんどなし

 GMの年間調達予算は850億ドル、対する日産・ルノーの調達予算は500億ドルに達する。規模としては両者ともすでに世界最大規模を有する。規模の経済性だけから言うとGMの規模はすでに十分に大きく、これ以上の規模拡大によって得られるメリットは限定的だった。

 GMはすでにLCC(Low Cost Country)での部品調達を加速させており、2009年には100億ドルの中国産部品を購入する予定である。実は、調達コストの削減に関してGMは世界の自動車メーカーの中で最も進んでいるのだ。GMにとって追加的に得られるメリットが相対的に少なかったことが、今回の提携の交渉決裂を導いたと思われる。 

 また、単なる規模の経済以上のコスト削減メリットを生み出すためには、プラットフォームや部品の共通化に踏み込む必要があった。この点でも両社のプロダクトサイクルがかみ合わず、短期的に効果を生み出すことが非常に難しい状況にあったのではないか。日本メーカーの車体は幅が狭く、北米仕様のクルマとの車台共通化が難しいという要素もあったと思う。

GMのプライドが見えない壁に

 さらに、最も大きな理由として考えられるのが、GMが自力再建への自信を深めていたことである。自力再建の実現性はともかくとして、その自信が交渉んひブレーキをかけ続けた。両者の文化の違い、特にGM社員の高いプライドは、提携の成果を出していく上での見えない壁として立ちふさがったはずである。

 そもそも、自動車業界で成功した提携はほとんどない。大きな提携では、日産とルノー、米フォード・モーターとマツダ以外は大抵は失敗している。三菱自動車と独ダイムラークライスラーや、GMと伊フィアットなどはそれぞれに多くの損失を発生させた。

 かつては「400万台クラブ」(年間400万台以上を生産しなければ生き残れないという説)という言葉が流行って合従連衡が進んだが、合従連衡した会社のほとんどが業績を悪化させた。フォードは、ジャガー、アストン・マーチン、ランドローバー、ボルボなどを相次いで傘下に収めたが、ほとんどが収益面で貢献していない。現在進行中のリストラの過程で多くを手放すだろうと見られている。

業界再編熱は一気に冷める

 GMと日産・ルノーが提携協議中に、フォードが日産に対して提携のラブコールを送ったとの情報があるが、GMとうまくいかなかったからといって別の新たな提携が生まれるという見方には懐疑的である。

 フォードは過去に外部との提携で失敗を繰り返している。欧州で独フォルクスワーゲンとミニバンで提携した。北米では日産とミニバンで提携した(Quest/日産-Mercury Villager/フォード )。しかし、どちらもうまくいったとはお世辞にも言えない。

 今回の交渉決裂を受けて、すぐに次の提携が世界のどこかで生まれるとは考えられない。むしろ、自動車産業の世界再編の動きは、少なくともしばらくの間は沈静化すると見たほうが確かだろう。

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