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ノーベル賞“空振り”に憂う日本の未来

いつしか染みついたモノマネ体質と決別せよ

  • 舛岡 富士雄

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2006年10月10日(火)

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 少々気が早いが、残念ながら、今年は日本からノーベル賞受賞者が出なかった。新聞もテレビも熱心に報道しないのであまり話題にもならない。

ノーベル賞が出ないのには理由がある

 もちろん、ノーベル賞受賞者が出ないことが日本の科学技術力の低下を示していると言い切ることはできないし、逆に、ノーベル賞を取ればすべて良しというわけでもない。

 ノーベル賞はあくまで結果であり、受賞者が出るか出ないかに一喜一憂しても意味がない。しかし、技術開発の最前線に立つ者として、世界の産業をリードするような画期的な新技術が日本から続々と生み出されているなどとは、とても言えないのである。

 筆者の専門とする「電気」の技術範囲に限ってみると、世界に先駆けるような大発明はほとんどが欧米からのもので、歴史的に見ても日本発は数えるほどしかない。

 数年前、600ページにもおよぶ大部の電気技術史本がフランスで出版された。古いところでは、マックスウエル、ヘルツ、オーム、エディソン、パスカル。比較的新しいところでは、ショックレイ、バオディン、ブラッティン、キルビー、ノイスなどの功績が詳しく紹介されている。当然のことであるが、ほとんどがノーベル賞を受賞している。

 ところが、日本が生み出し、世界の科学技術の発展に役立ったと認められたものは、八木・宇田アンテナ、江崎ダイオード、そして手前味噌ではあるが筆者のフラッシュメモリの3つだけでなのである。日本人の多くは「日本の技術は世界に誇るべきものだ」と考えているが、世界の電気技術史から見ればその存在感は薄い。

開拓者精神が失われた技術の現場

 日本は欧米で生み出された発明を応用して、性能と品質の良い製品を作ることには長けてきた。だが、同じようなことは、台湾や韓国、中国などの国々でもできるようになってしまった。日本の技術やノウハウが他国に流出することを懸念する声があるが、簡単に真似されてしまうぐらいに技術力の格差が縮まってきているのだ。

 では、今後どうすればいいのか。やはり、というか、言うまでもなく、世界に先駆ける革新的な技術を生み出して、その粋を集め、付加価値の高い製品を生産し、それを世界に送り出すこと以外に発展への道はない。それが技術と産業のすそ野を大きく広げていくのである。

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