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帝人

下方修正に2つの「誤算」

2006年10月11日(水)

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 「今年度は雌伏の時期になる」。帝人の高野直人専務はさえない表情でこう語る。

 帝人は今期の連結営業利益見通しを800億円とし、期初予想の850億円から下方修正している。2期連続で最高益を更新するが、ここ数年続いた2ケタ成長には届かない見込みだ。2ケタ成長が今期「1回休み」になるのは、2つの「誤算」があったからだ。

ヒットDVDの不作が減益要因

 まずは、帝人の主力製品である「ポリカーボネート樹脂の収益が、今年に入り急激に悪化」(大和総研の安藤祐介シニアアナリスト)したことだ。ポリカーボネート樹脂は、音楽CDや自動車のヘッドランプカバーなどに使われる高機能素材で、DVD用途では帝人が世界シェアの約70%を占める。前期の連結営業利益768億円のうち、410億円をポリカーボネート樹脂を中心とする化成品部門が稼ぎ出した。

 しかし「前期はできすぎだった」(大和総研の安藤氏)。1トン2500ドル前後で推移していたポリカーボネート樹脂製品価格が、DVD用途などで世界需要が拡大したことを受け、2004年に急騰。「2005年はほぼ年間を通じて、3400~3500ドルで推移」(高野直人専務)したからだ。

 今年に入り、市況が一気に悪化。「良いコンテンツ(情報の内容)が少なかったため、DVD需要が減速。価格が3割近く一気に下落した」(高野専務)。原料価格が高騰したことと合わせ、帝人の利幅が大きく縮小した。

原油高騰を製品価格に転嫁できず

 もう1つの誤算は原油価格の高騰だ。4月5日に本コーナーに掲載した記事 で、長島徹社長は今後3年の平均原油価格を「ドバイ原油ベースで1バレル平均55ドル」と予測していた。しかし、北朝鮮ミサイル発射などでドバイ原油価格は7月に70ドルを突破。10月に入り原油価格が下落しても、55ドルの水準を上回っている。

 このため、今年の経営課題に掲げていたポリエステル繊維事業の赤字脱却が遅れている。嗜好性に左右されるファッション分野の売上構成比率を下げ、運動選手用のスポーツウエアなど機能性分野に注力することで収益改善を図るとしていた。しかし原料コストの価格転嫁が追いつかず、第1四半期では約15億円の営業赤字になった模様だ。

 帝人は「不退転の決意で値上げを浸透させる。受け入れてもらえないところは切る」(高野専務)と覚悟を見せるが、狙い通りに価格転嫁を進められるかは未知数だ。

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「帝人」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師