• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

花王

商品戦略を情緒性で飛躍

  • 飯泉 梓

バックナンバー

2006年10月17日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今期は花王にとって、大きな意味を持つ1年に違いない。2006年3月期は24期続いた連続増益記録がついに途切れた。4000億円をつぎ込んだカネボウ化粧品買収の影響が大きいが、それだけではない。

 実はカネボウ化粧品関連の影響を除いた業績を見てみても、花王の増益記録は途切れている。売上高は9712億円で前年比3.7%増を確保したものの、経常利益は1250億円と前年比0.2%マイナスとなっている。

 その主な原因は売上高の70%以上を占める家庭製品が伸び悩んだことにある。家庭用製品では売上高は7040億円となり、なんとか1.5%増となったものの営業利益の伸びは0.1%だった。

 こうした状況だが、株価は好調に推移している。というのも花王の本業よりも、カネボウ化粧品事業買収に反応している。「カネボウ化粧品を買収し、挑戦していること自体がポジティブ」(証券アナリスト)という状況だからだ。

 カネボウ化粧品とのシナジー効果策を発表前の6月は「買収効果が見えてこない」として一時的には3000円を切ったが、シナジー効果を発表し、花王グループの化粧品事業の成長率を現在の売上成長率1~2%を2006年度以降には4~6%、100億円ブランドを現在の8から倍増させるとしたところ、株価は再び盛り返し、3200円を推移している。

 花王はこうした状況に安寧せずに、本業の改革を進める必要がありそうだ。

本業に力を注ぐ

 目下のところ、花王が力を注いでいるのは本業の家庭用製品に関する商品開発の仕組みだ。トイレタリーは現在もなお、石油価格の高騰が続き状況は厳しい。そこでいかに高付加価値の商品を開発し、価格競争に陥らない商品を投入できるかが、今後の利益を左右する。「日用品関連はいまだに原料高の影響が大きい。花王は単なる値上げではなく高付加価値商品を作り出す努力が必要だ」と日興シティグループ証券の山口大輔アナリストは言う。

 今期で就任3年目の尾崎元規社長は自身も商品開発に長く携わってきた経験を持つ。そのため商品開発には並々ならぬ意欲を持つ。尾崎社長が就任当初から頻繁に口にしてきたのは「情緒性に長けた商品開発を実施する」ということだ。各ブランドが持つイメージや雰囲気をじっくりと醸成させることで、ターゲットである顧客を惹きつける戦略を取る考えだ。

 というのも、これまでの花王の商品開発戦略は、体に脂肪がつきにくい食用油「エコナ クッキングオイル」や体脂肪に効果的な緑茶「ヘルシア緑茶」などに代表されるように、技術の発見から商品化に結びつけるという“技術オリエンテッド”が主流だった。確かに画期的な技術を持った商品も重要だが、モノが豊かな時代に画期的な技術だけをアピールしても顧客に届かない恐れもある。そこで、今後は技術だけではなく、顧客の情緒に訴えかけることで、ヒット商品を生み出す考えだ。

 既に、実例はいくつかある。その1つが今年リニューアルして発売したヘアケア商品の「エッセンシャル」だ。

 エッセンシャルは発売して30年経つ長寿ブランド。もともとは「痛んだ髪に良いシャンプー」という機能性を訴求していたが、多くの商品が乱立する中、差別化がしずらくなった。その結果、ほとんどの人の購入動機が「安いから使っている」というネガティブなものになってしまっていた。

 さらに、購入層は自社が狙っていたはずの10~20代とはかけ離れた40~50代が多く、30代以下の女性は「自分たちの商品じゃない」と認識していた。そこで、花王はもう一度10~20代の女性に訴えかけるようなブランド作りに着手した。

コメント0

「NB100」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック