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松下電器産業

大坪・新体制、成長戦略3つのポイント

2006年10月18日(水)

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 松下電器産業は今年6月、中村邦夫・前社長が会長に退き、大坪文雄・新社長による経営体制が発足した。大坪体制の最大のミッションは、「破壊と創造」を終えた松下を「成長路線に乗せること」(大坪社長)である。

 数値目標として掲げているのが、「2010年に営業利益率10%」だ。この数値目標は、電機業界の水準から見れば極めて高い。実際、2007年3月期の営業利益率予想は5%で、10%と比べると大きな隔たりがある。目標達成までのシナリオを、いかに具体的に示せるかが、今後の株価を左右することになる。

 社長に就任してから現在まで、成長戦略の具体的な中身は示されていない。大坪新体制の実力を評価するには、2007年1月に発表される中期経営計画を待つ必要がある。

 株式市場にも様子見の状態が表れている。株価は2600円前後で推移しており、今年4月21日の年初来最高値である2870円を突破するほどの力強さは見られない。10月17日終値時点の連結予想PER(株価収益率)は36.6倍と、三洋電機(6764)の21.6倍、シャープ(6753)の23.4倍に比べれば高いが、ソニー(6758)の36.9倍、パイオニア(6773)の47倍と比べれば劣る。

 競合と比べると、連結予想PERは高くもなく低くもなくという状況だ。新体制の真価が表れるのは、初めて挑む今年のクリスマス商戦の動向からだ。今より市場から高い評価を受けるには、今後、松下が直面するであろう3つの課題をクリアする必要があろう。

コストでプラズマは液晶から逃げ切れるか

 まず、プラズマテレビ市場に逆風が吹き始めている。今年のクリスマス商戦では、シャープやソニーなどの液晶テレビ陣営が、プラズマテレビが高い市場占有率を誇っていた40インチ以上の薄型テレビ市場でラインアップを大幅に拡充してきた。さらに、既存のハイビジョンよりも高精細のフルハイビジョンに対応した製品の品揃えでは、液晶陣営がプラズマ陣営を上回っている。

 松下のPDPデバイスビジネスユニットの長野寛之ビジネスユニット長は、「コスト競争力が最後のカギを握る。プラズマは液晶に比べ、(生産)リードタイムは3分の1、設備投資は2分の1。フルハイビジョンの画質は液晶より上。絶対の自信がある」と強調する。確かに、例えば65インチのフルハイビジョン対応製品で価格を比較すると、実売価格は松下のプラズマテレビが約100万円であるのに対し、シャープの液晶テレビは約125万円で、コストではプラズマに軍配が上がる。

 だが、液晶各社は大画面化を急ピッチで進めており、既に40インチ台の液晶テレビがプラズマテレビとほぼ同等の価格まで下落してきた。50~60インチ台でも同様の現象が起きかねない。消費者がリビングに置きたい薄型テレビのサイズも、せいぜい50~60インチが限界だろう。そうなると、液晶テレビに対して、プラズマテレビがコスト面で逃げ切れるか、予断を許さない状況になっている。

「ユニフィエ、入ってる」戦略の実現がカギ

 「これから発売されるデジタル家電にはすべて、『ユニフィエ』が入る」――。同社の古池進副社長は、ユニフィエが今後の松下のデジタル家電の競争力を強化していくと力説する。ユニフィエとは、松下が独自開発したデジタル家電の頭脳を司る半導体チップのことだ。既に、今年のクリスマス商戦向けに発売されているフルハイビジョン対応のプラズマテレビや次世代DVDのブルーレイディスクレコーダーなどに搭載されている。

 このユニフィエは、松下のデジタル家電のコスト削減とネットワーク化を支える切り札と言っても過言ではない。携帯電話から薄型テレビまで、幅広いデジタル機器の心臓部として利用することが可能で、コストを膨れ上がらせていた最大の要因であるソフトウエアの開発を大幅に効率化できる。

 しかも、ネット接続やデジタル家電の相互接続する機能なども盛り込まれており、「プラズマテレビを中心にネットワーク接続された商品群を提案する」(同社AVCネットワークス社社長の坂本俊弘専務)という大坪流の成長戦略を具現化する役割を担う。

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「松下電器産業」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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