• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

アステラス製薬

積極的な株主還元策が覆い隠した窮状

2006年10月19日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「株主還元策を提示してくることは予想していた。しかし、内容は想定を大きく上回っていたので驚いた」

 国内3位の製薬会社であるアステラス製薬が10月初旬に発表した中期経営計画。その中で示された株主還元策について大和総研企業調査第二部の宮内久美シニアアナリストはこう指摘する。

 自社株買いを積極的かつ機動的に実施して、中計の最終年度である2011年3月期までにROE(株主資本利益率)を18%、DOE(株主資本配当率)を8%にするという内容だ。大和総研の試算によると、同期にROE18%を達成するためには今後5年間で7500億円規模の自社株買いを実施することになる。さらに配当を現在の2倍以上にする必要があるという。

 自社株買いと配当による株主還元策は、国内最大手の武田薬品工業(4502)と同4位のエーザイ(4523)が今年5月と3月に発表した中計にも盛り込まれた。武田が2011年3月期の目標として示したのは2006年3月期のROE14.4%の維持。エーザイは2012年3月期の目標としてROE約16%、DOE約8%を掲げた。2社の目標と比較すると、アステラスの株主還元策の積極さが際立つ。

 投資家も好感してアステラスの株式購入に走った。発表翌日である10月5日の出来高は前日の3倍に増加。前日の終値が4690円だった株価は、10月5日の終値で5010円をつけた。10月11日には一時、5360円まで上昇して年初来高値を更新している。

10年後の成長を約束する新薬候補が足りない

 だが、株主還元策とその後の株価高騰にばかり目を奪われていると、アステラスの現状を見誤る。例えば、中計で掲げた2011年3月期の連結売上高の目標は1兆600億円。2006年3月期の8793億円の2割増にとどまる。

 片や武田は2011年3月期の目標として医療用医薬品の売上高(米TAP社の売上高を含む)で1兆4000億円という目標を掲げた。これは2006年3月期の連結売上高1兆2122億円を上回る。エーザイは2012年3月期の連結売上高の目標として1兆円を提示。2006年3月期の5950億円の約1.7倍というアグレッシブな数字だ。これら2社の業績目標と比べてアステラスの目標は挑戦的とは言い難い。

コメント0

「NB100」のバックナンバー

一覧

「アステラス製薬」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トップ自らが矢面に立つことで、問題は次第に収束していきました。

佐々木 眞一 日本科学技術連盟理事長、トヨタ自動車顧問・技監