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「体制崩壊」も視野に包囲網

北朝鮮へ経済制裁、国際連携に官民も急

  • 北朝鮮問題取材班

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2006年10月23日(月)

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 核実験を受け、北朝鮮に対する世界の経済制裁が一気に動く。北朝鮮の体制崩壊シナリオを視野に入れる関係者も少なくない。安倍外交にとって、1つのミスも許されない神経戦が始まった。


 「あったとしても、今、そんなこと言えるわけないでしょう」

 経済制裁の追加策など日本の「次の一手」を問いかけると、政府関係者は語気を強めた。

 北朝鮮が核実験の実施を発表したことを受け、政府は13日の閣議で同国からの輸入の全面禁止を決定。2日後には、国連安全保障理事会が制裁決議を全会一致で採択し、大型兵器、核・ミサイル関連物資、贅沢品の移転阻止などが決まった。核・ミサイル関連の海外資産凍結など資金面でも国際社会が北朝鮮包囲網を築く構図だ。

 それでも、北朝鮮が核を手放さない場合、次なる制裁をいつどんな手段で打ち出すのか。周到に事を運ばなければ、北朝鮮が「暴走」する恐れもある。それゆえ政府も慎重だ。

 安倍晋三政権は外交強化を標榜するだけに、1つのミスも許されない事情を抱える。政府を挙げて“シミュレーション”に取り組めば、それ自体が北朝鮮を刺激するメッセージにもなりかねない。当面は防衛、警察、海上保安、財務、経済産業、農林水産など経済制裁の実務に携わる各省庁の連携による“分科会”といえる。

「湾岸」の教訓、外交カードに

 極秘裏に進む調整作業について、ある省庁の幹部は問わず語りに、こう漏らした。

 「湾岸戦争の時のような例もありますし…。ただ、それはある意味で最終的な形。(外交)カードとして残しておかなくてはいけない。当然、各国との調整も必要なことです」

 物言いは極めて慎重。しかし、さらなる経済制裁も視野に着々と準備を進める様子がうかがえる。

 貿易、金融取引の全面禁止――。

 1990年8月2日、イラクは石油問題を巡る交渉の決裂を受け、クウェートを制圧した。4日後、国連安保理はイラクへの経済制裁として、石油や武器をはじめとする貿易、そして投融資などの金融・資本取引を禁じる内容を採択した。国連としては23年ぶりの包括的な制裁決議だった。

 今回の北朝鮮に対する経済制裁は、あくまで核・ミサイルなどに絡む資金や物資の移動に限られる。北朝鮮に歩み寄りの姿勢が見えなければ、湾岸戦争の時のように「全面禁止」に踏み切る可能性もある。「北」と対峙する世界が経済封鎖のシナリオに歩を進める展開が浮かび上がってくる。

 必ずしも世界に誇れない日本の外交だが、実は北朝鮮については周到な布石を打ってきている。

 2004年の通常国会では、北朝鮮を念頭に置いた2法案を可決。これにより日本は独自の外交カードを手にした。

 1つが、改正外国為替・外国貿易法(外為法)。もう1つが、特定船舶入港禁止特別措置法だ。以前の外為法は、送金や貿易を停止したり制限したりする場合には、国連安保理決議などが必要だった。これを、日本独自の判断でできるように変えた。

 小泉純一郎首相(当時)と金正日総書記が会談し出来上がった2002年の「日朝平壌宣言」もあり、日本はこうした新たな外交カードを切ることをためらってきた。今年7月5日、その堰が切れた。

 北朝鮮は日本海に向けて7発の弾道ミサイルを発射。日本政府は貨客船万景峰(マンギョンボン)号の入港禁止といった独自の措置を打ち出した。「その頃から政府内で検討してきたことが、少しずつ形を変えながら、現在のような具体的な制裁措置となって表れてきている」と政府関係者は成果を強調する。その視線の先にはどうやら、金正日体制の崩壊、大量の難民発生、食糧支援、後継の国家体制のあり方など様々なシナリオもありそう。日本政府が机上の準備を水面下で進めていても不思議ではない。

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