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ヤマハ

遅れてきたデジタル化に活路を見いだす

  • 高橋 史忠

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2006年10月26日(木)

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 ニューヨークのカーネギーホール、パリのオペラバスチーユ劇場、東京の新国立劇場…。日米欧を代表するコンサートホールには、共通する特徴がある。音響設備の心臓部であるミキシングシステムにヤマハの製品を使っていることだ。

 今期で最終年度を迎えた中期経営計画で主力の楽器事業を中心に構造改革を進めるヤマハ。ただし、思惑通りには進んでいない。前期(2006年3月期)は売上高が2005年3月期から横ばいの5341億円、営業利益は同じく32.5%減の241億円と減益。2007年3月期の予想営業利益は250億円と、中期計画で立てた500億円の目標には届きそうにない。「部分的には成果は見られるものの、全体的には実行のスピード感が不足している」(伊藤修二社長)というのが現状だ。

 伊藤社長が挙げる“部分的な成果”の1つが、コンサートホールやスタジアムといった施設に設置する業務用のミキサーやスピーカー、オーディオアンプなどの設備音響機器分野だ。中期計画でも成長の柱と位置づけ、市場が広がる欧米を中心に積極的な事業展開を図ってきた。

 特にマイクロホンなどで拾った音を集約・調整し、施設内に設置したスピーカーに送るミキサーと呼ばれる機器では、ヤマハは業界トップクラス。設備音響分野の売上高はこの2年ほど2ケタ増を続け、今期は中期計画の初年度から1.5倍増の297億円を見込む。「ほぼ期待通りの伸び」と楽器事業を統括する梅村充常務は手応えを強調する。

 ヤマハが設備音響機器に力を入れる理由は、市場の広がりだけではない。プロが使う業務用の施設で同社の製品が採用されることは、ヤマハブランドの強化にもつながる。今のところ、売り上げ規模は楽器事業全体の10分の1に満たないが、その広がりがほかの商品の販売に与える影響は大きい。ちょうど、ソニー(6758)や松下電器産業(6752)が業務用の映像機器を手がけることで、技術力や商品の信頼性が高いというブランドイメージを築くのと同じような位置づけと言えるだろう。

説明を繰り返し、職人の不安を払拭

 ヤマハの設備音響機器は30年以上の歴史がある。だが、事業としては「ヒット商品が出て業績は伸びるが、次第にしぼむの繰り返し」と、設備音響事業を陣頭指揮するPA・DMI事業部の小林圭介副事業部長は振り返る。ヒット商品の有無にかかわらず、安定的に成長する事業基盤をつくるのが課題だ。その安定成長体制を構築するうえで、追い風になっているのがデジタル化の進展である。

音職人をうならせる
設備音響事業を陣頭指揮するPA・DMI事業部の小林圭介副事業部長。手前はデジタルミキサーの最上位機種「PM1D」 (写真:菅野 勝夫)

 オーディオ機器のデジタル化は急速に進んでいるが、設備音響は例外で、実は最もデジタル化が遅れている分野。その理由は、ミキサーを使う音響エンジニアに、職人肌で昔ながらのアナログ操作にこだわりを持つ人が多いことにある。

 こうした音職人にとって、デジタル化は長年慣れ親しんできた機器の操作の仕方が変わることを意味する。さらに、新しい技術の導入は信頼性に対する心配が常につきまとう。業務用機器にとって音がいいのは当たり前。コンサート中に機器が故障し、音が出なくなれば莫大な損害につながりかねない。こうした不安感がデジタルへの移行に躊躇する要因だった。

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