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「圧力は対話のために」

塩崎 恭久 内閣官房長官に聞く

  • 聞き手 井上 裕

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2006年10月30日(月)

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 安倍晋三新内閣が発足し、その直後に北朝鮮による核実験問題が起きた。外交政策を重視する内閣だけに、さっそく真価が問われる。その内閣の要にある塩崎恭久内閣官房長官が就任後初めて、単独インタビューに応じ、北朝鮮に対し「制裁や圧力は対話のためにある」と強調した。  (聞き手は本誌編集長、井上 裕)


中韓との関係改善は序章
主張する外交に経済拡大必須
「法人減税で成長」は短絡

 問 北朝鮮問題の処理は、今後の世界における日本の「立ち位置」を決めるうえで、経済成長戦略と並び重要なものになります。

塩崎 恭久内閣官房長官

 答 北朝鮮による核実験への対応は緊急かつ重要な問題です。自国の国益を守る、つまりは国民の生命と財産を守ることを為政者の責務と捉えます。その責務を最大限全うするため、世界に先んじて対応をしてきたつもりです。ただそれは、制裁のための制裁ではない。または、圧力のための圧力でもない。平和で安定した朝鮮半島を実現するための制裁であり、圧力なのです。外に向けては、こうした対応が「主張する外交」ということです。

 一方、国内に向けたものとしては、経済成長が重要です。それにより、元気な日本を作る。その底流に流れるものが、安倍総理が言うところの「開かれた保守主義」となる。これは、日本の文化など良きものを守るために、改革をしていくという考え方です。取りも直さずそれが、美しい日本になるということです。

国連常任理事国入りが不可欠

 問 今年7月5日、北朝鮮が7発の弾道ミサイルを発射しました。その時の政府の対応は素早かった。

 答 私も外務副大臣として、麻生太郎外務大臣の隣で電話会議などに参加しました。安倍官房長官(当時)は、事前に周到な準備をしていたと思います。だからこそミサイル発射のその日に日本政府は北朝鮮への制裁を含む決議案を国連安全保障理事会メンバー国に提示できた。こうした対応は日本にとり初めてのことだったと思います。

 今後もこうした対応を取るには、それ相応の“場”がないといけない。それが国連の常任理事国入りなのです。

 先の総裁選で、安倍氏が掲げた公約の1つに、「戦後レジームからの新たな船出」がありました。21世紀にふさわしい憲法を作ることに併せて、常任理事国になることを挙げたのは、そうした狙いがあったのです。

 国連は言うなれば、第2次世界大戦の戦勝国によりできた枠組みです。それをずっと引きずっている。安倍総理は、常任理事国となることで、責任ある立場から世界平和に貢献することを初めて言った日本の総理だと思います。

 問 国民は常任理事国入りを、さほど重要な問題と捉えてこなかった。

 答 それは、政治がきちんと体系立てて説明してこなかった反省点です。今回、核実験が起こった時、たまたま日本は非常任理事国で、たまたま議長国だった。だから、それなりに振る舞うことができました。ところが来年の1月1日からは(任期が切れ)それも外れてしまう。再び北朝鮮が核実験をしたとしても今度は日本が常任や非常任の理事国にお願いをして、いろいろやってもらわなきゃいけなくなる。そうした現実が待っているのです。

 戦争を放棄しているのに、どうして国連軍に入って戦争に参加するのか。PKO(国連平和維持活動)と言うと、「ああ、自衛隊を海外に出すことね」となってしまう。例えばスーダンなどは軍事要員以外に、国連職員が600人近くいるわけです。彼らが水の供給や教育、保健衛生なども面倒見る。それもPKOなんです。こうしたことに関して、表層的な反応が目立った。これからは政治が国民にきちんと説明しながら、より主体的な外交に切り替えていく。それには、国連の常任理事国入りがどうしても必要なのです。

 日本は、国連予算の19.5%を分担金として支払っています。これを高すぎるとか言うつもりはない。むしろ、この負担額は日本の経済の大きさを示すから、そのままでよいと思う。こうした財政面の貢献をよそに、中身の平和貢献という場が十分ではなかった。これからは、日米同盟を基軸としながら、日本が独自の平和貢献を世界でやっていきます、と安倍政権は宣言しているのです。

 問 少なくとも今は、北朝鮮の核実験によって、関心が高まっています。

 答 今、我々は試されているんだと思います。自分の国、国民、そして地域の安全をどう守っていくか。国際社会の中で、どんな対応をしていくのか。国民の皆さんは関心を持ちながら見つめています。そして、安倍政権はどういう政権ですか、ということを見ているんだと思います。

 問 世界も日本の対応を見ている。

 答 だからこそ、最も大切な隣国である中国と韓国との関係を再構築しないといけない。そりゃ、意見は異なるでしょう。その違いに目をつぶって友好、友好と言っても始まらない。むしろ率直に違いについて議論をしていく関係を作ることが大切だと思う。今回の安倍総理の訪中、訪韓も極めて狭い可能性だったけれども、お互いの努力で実現したわけです。

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