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日航、JR東日本株も売却

黒字化目標の達成になりふり構わず

  • 永井 央紀

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2006年10月31日(火)

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 日本航空(JAL)が保有していた東日本旅客鉄道の株式の大半を、7月から9月の間に売却していたことが本誌の取材で明らかになった。東京急行電鉄株式に続く放出で、利益を捻出するために資産売却を急ぐ姿勢が一段と鮮明になった。

 JALはJR東日本株を発行済み株式数の0.1%に当たる、5357株保有していた。ほぼすべてを約50億円で売却、数億円の利益を得た模様だ。

足元の株価が簿価を上回る銘柄もある

ともに「スイカ」を担ぐ間柄

 JR東日本とは2004年にカード事業で提携し、ともに電子マネー「スイカ」の普及を目指す親しい間柄にある。東海道新幹線を持つJR東海と異なり、輸送事業での競合が薄いことから「さらなる提携拡大もあるのでは」との見方も浮上していた矢先の出来事だ。

 両社は公共交通を担う国策会社として始まり、民営化を果たした点で似ている。6月には松田昌士JR東日本相談役がJALの社外監査役に就任した。

 同様に株式を手放した東急電鉄もJALの筆頭株主だった。これら親密な企業の株式を売却するなりふり構わない施策の背景には何があったのか。

 JAL関係者はこう説明する。「取引銀行は今期の業績目標である最終損益30億円の黒字を達成するのは“当然のこと”と見ている。そのうえで、来年以降も経営を維持していけるか判断するために、1月末をメドに策定する中期経営計画を注視している」。今期目標の達成は、来期以降の取引継続の大前提。未達に終われば銀行の協力を得られなくなる恐れもある状況という。

 西松遙社長は「30億円の最終黒字の目標は必ず守る」と宣言しているが、上半期の状況は厳しい。今春にかけて相次いだ運航トラブルの影響で旅客離れが進んだうえ、燃油の高騰も重なった。目標の前提が国内旅客で前年比1.6%増なのに対し、4~8月の実績はマイナス0.8%。燃油高によるコスト増は数十億円になる。4~6月期は267億円の最終赤字だった。

 目標達成のためには、JR東日本や東急電鉄株の売却だけでは足りない可能性がある。JALの保有株を見ると、足元の株価よりも低い簿価で計上されている銘柄がいくつかある。JAL幹部は「政策的に持つ必要性が薄い株式は、株価の動きを見ながら手放していく」と話す。売却が続く公算は大きい。

 売却の対象は有価証券や不動産だけではない。西松社長は本誌のインタビューで「中期計画にグループ会社の見直しを盛り込む」と語り、その選択肢として子会社の事業譲渡や上場、同業他社との資本提携もあると明かした。

カード子会社の資本提携案も

 例えば、カード事業子会社のジャル(JAL)カード。グループの中では航空事業と関係が深い子会社と位置づけており「株式の51%保有は維持するが、それ以下の比率(の売却)であればアライアンスを組むことも検討する」。

 JALカードは2006年3月末時点で会員数158万人。規模はクレディセゾンの2279万などと比べると劣るが、1人当たり年間利用額は約90万円と日本で最も高いという。大半のカード会社の平均利用額が10万~20万円台であることから、超優良顧客を抱える情報の宝庫としてカード業界では垂涎の的だ。JALが他社とのアライアンスを決断すれば実現の可能性は高そうだ。

 同様の動きは、空港の土産物店などを運営する子会社JALUXでも出てきそうだ。既に上場しているが「思い切って他社と資本提携して、機内販売や通信販売を任せるという手もある」(西松社長)。資産売却と絡めて新たな提携を進める構想だ。

 ただ、これらは資産の切り売りに過ぎず、財務面で打てる手の域を出ない。7月の公募増資も含めて、財務畑の出身の西松社長には手を着けやすい施策だ。では、航空輸送業という本業再建のための施策を、JALというしがらみの多い組織で打てるのか。例えば、取引行が中期経営計画に盛り込むよう求めている人件費の抑制策を西松社長に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

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