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ノーベル平和賞で話題のマイクロファイナンス
東京銀行出身者が米国で活躍

「支援ではなくビジネスとして成功すれば普及する」

2006年11月1日(水)

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 バングラデシュのグラミン銀行とその創設者、ムハマド・ユヌス氏のノーベル平和賞受賞で注目を集める少額の金融サービス(マイクロファイナンス)。実はこの分野で日本人が活躍している。旧東京銀行(三菱東京UFJ銀行)勤務の枋迫篤昌(とちさこ・あつまさ)さん、53歳だ。

 3年前に米ワシントンDCで「マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション」を設立、社長を務める。顧客は米国で働くラテンアメリカ系移民と本国にいる彼らの家族だ。枋迫さんに起業の動機と事業内容を聞いた。

ラテンアメリカ系移民へのサービス

--ラテンアメリカ系移民をサービス対象にした理由を教えてください。

 大学卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行しました。銀行員時代、12年間にわたりラテンアメリカ4カ国(メキシコ、エクアドル、ペルー、パナマ)に駐在しました。1980年代のことで、これらの国々は貧困やゲリラと政府軍の闘争などで悲惨な状況にありました。

 私の原点と言えるのが、26歳の頃、メキシコで語学研修を受けていた時の出来事です。辞書を片手にスペイン語の勉強をしながら街を歩いていたら、道端でタペストリーを売る人と仲良くなり、自宅に招いていただきました。家は山の中にあり土とわらでできていて家具は全くありません。夕食に出されたのは薄いスープと3枚のトルティーヤ、2かけの唐辛子と豆を煮たものでした。

 食事をいただき楽しく話して帰ろうとした時、その家の2~3歳の息子さんに「お兄ちゃん、今度はいつ来るの」と尋ねられました。「お兄ちゃんが来てくれたから、半年ぶりに肉を食べられた」と言うんです。確かにスープに何か葉っぱのような薄いものが浮かんでいました。それがこの家族が食べる半年ぶりの肉だったと知り、言葉を失いました。

 毎日一生懸命に働いている人々がこんなに貧しいままでいるのは間違っている。彼らにとって必要なのは経済的な苦境を脱するチャンスです。将来は必ず金融のプロになって、この人たちに役に立つサービスを提供しようと決心しました。40歳になる前に、米ワシントンDCで貧困層の支援に役立つ企業をつくろうと考え準備を始めました。グリーンカードを取得し、勤務先の頭取や副頭取にも自分の考えを伝えていました。

 2003年6月にマイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)を設立しました。主要顧客は米国で働くラテンアメリカ系移民をはじめとする低所得者層で、彼らの年収は約2万ドル(約240万円)です。

--事業の柱は“送金”ですね。

 はい。巨大なニーズがあるのに、サービスの供給が極端に少ない分野です。米国からラテンアメリカ諸国向けの送金は530億ドル(約6兆3600億円)に達しました。これはラテンアメリカ各国のGDP(国内総生産)の10%を占め、もはや無視できない。ところが銀行はこの大市場にアクセスできません。出稼ぎ移民の人々は銀行口座を持っていないためです。米国内に5000万人いるラテンアメリカ系移民のうち、3000万人が“unbanked”と呼ばれる銀行口座を持たない人々です。

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「ノーベル平和賞で話題のマイクロファイナンス
東京銀行出身者が米国で活躍」の著者

治部 れんげ

治部 れんげ(じぶ・れんげ)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社で16年間、経済誌記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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