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新日本製鉄

鉄鋼世界再編の中で存在感

  • 上原 太郎

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2006年11月6日(月)

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 今年1月のミタル・スチールによるアルセロールへの買収提案で、幕が上がった鉄鋼の世界的な再編劇。これまでは、インド出身でインドネシアの小さな鉄鋼メーカーから1代で今の地位を築いたラクシュミ・ミタル会長率いるミタル・スチールが再編の主役だった。しかし一方で、新日本製鉄の存在感がじわりと増している。

 新日鉄は、韓国の大手鉄鋼メーカーであるポスコとの提携強化を発表した。現在、両者は2~3%強の株式を持ち合っているが、さらに互いに約550億円出資して株式を2%程度追加取得する。これにより、新日鉄とポスコは互いの筆頭株主となる。ポスコへの追加出資の資金は、3000億円のエクイティファイナンスの一部で手当てする。

 提携の主な内容は、まず今後5年間、高炉改修時に互いにスラブと呼ばれる半製品を融通し合う。高炉改修は5年間で3基ずつ、両者で合計6基を計画している。これまで、高炉改修時には事前にスラブの在庫を積み増すことなどで対応していたものの、減産は避けられなかった。

 新日鉄とポスコが高炉改修時期をずらして、一方の高炉改修時にはもう一方からスラブの供給を受けることで、以前のようなロスをなくす。スラブの相互供給は5年間で100万~120万トンに達する見込み。「実質的な増産効果は大きい」と藤原信義副社長は強調する。

 加えて新日鉄は、生産工程で生じる不純物の中から、鉄分などを回収してリサイクルする技術をポスコに供与する。これら一連の提携強化策で新日鉄には、経常利益を100億円以上押し上げる効果があるとしている。これらの施策により新日鉄とポスコは、資本面だけではなく、事業面でもより結びつきが強くなる。

「対抗軸は必要」で動きだす

 ミタルがアルセロールの買収に成功してアルセロール・ミタルが誕生した後、新日鉄の三村明夫社長は「対抗軸は必要」と指摘してきた。新日鉄は中国において、中国最大の鉄鋼メーカーである宝山鋼鉄と自動車用鋼板で提携関係にある。今回のポスコとの提携強化は、日・韓・中の連合でアジアにおける安定軸形成につながると見る向きもある。

 一方で、「ミタルの次の標的はアジアの鉄鋼メーカー」との声は、業界内に絶えない。これまでミタルは、規模的な巨大化を最大の目的に掲げて、買収を繰り返してきた。しかし、アルセロールの買収は規模だけでなく、アルセロールが持つ自動車鋼板などの高級鋼の技術の獲得も大きな目的の1つだった。技術は持っているものの時価総額が小さい日本の鉄鋼メーカーが、次の買収の標的になる可能性は十分に考えられる。

 新日鉄が自ら動いて鉄鋼再編を引っ張る可能性もある。ミタルによるアルセロールの買収の行方が見えないうちは、両者と提携関係にある新日鉄は動向を見守るしかなかった。

 アルセロール・ミタルの誕生後、新日鉄は、欧州における旧アルセロールとの自動車向け鋼板における包括提携の継続を表明した。また、新日鉄の三村社長は7月、アルセロール・ミタルのミタル会長と会談し、米国における提携は、継続を前提に話し合うことでも同意した。

 新生アルセロール・ミタルと友好的な関係を維持することで、独自の海外戦略や提携戦略の幅が広がる。ポスコとの提携強化は、その先駆けとも見られる。

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