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2025年の日本はどうなる?

内閣特別顧問の黒川清氏に「日本のイノベーション」を問う

  • 水野 博泰

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2006年11月6日(月)

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 政府の「イノベーション25戦略会議」(高市早苗技術革新担当相の私的諮問機関)が始動した。2025年までを視野に入れて日本の長期戦略を策定しようというもので、技術だけでなく社会を革新させる広い意味での「イノベーション」について議論する。メンバーは、黒川清内閣特別顧問、岡村正日本経団連副会長(東芝会長)、薬師寺泰蔵総合科学技術会議議員(慶応義塾大学客員教授)、金澤一郎日本学術会議会長(国立精神・神経センター総長)、坂村健東京大学教授、寺田千代乃関経連副会長(アートコーポレーション社長)、江口克彦PHP総合研究所社長の7人。なぜ、今、イノベーションなのか――。座長の黒川清氏に聞いた。(聞き手は日経ビジネス編集委員=水野 博泰)

NBO 2025年といえば、今から約20年も先です。1985年頃に“今”の姿を予測するようなもの。こういうことを大っぴらに国がやろうということは、これまでにありませんでしたね。

黒川 戦後60年、初めての試みなのではないですか? 本来、国家戦略っていうのはそういうものでしょう。20年後を完全に予測することはできないし、戦略会議の目的も予測することではないのだけれど、歴史には必然性というものがありますから。ある程度のところまでは見える。今は情報社会だから昔よりはやりやすい。

今後20年で世界は確実に変わる

 例えば、2020年には日本の人口は今より少し減るけれど、まあ1億人というざっくりとした規模には変わりがない。正確ではないけれども、日本の人口の3割弱ぐらいが65歳以上になるのではないかな。そういうデモグラフィー(人口統計学的な分布)は分かっているわけだ。

 一方で、世界の人口はもっと増える。たぶん75億人ぐらいになって、アジアがその6割ぐらい。そして、イスラムの人口が20年後には3割ぐらいになりますよ。そういうことはかなり高い精度で予測されている。

 デモグラフィーだけを見ても世界は確実に変わる。これは火を見るよりも明らかなんです。そういう中で日本はどういう国になりたいのかを考えなければならない。

 それに加えるというか連動する形で、日本のジオポリティカル(地政学的)なステータスも大きく変わりますよ。例えば中国は激しい内乱でも起こって現体制が揺るがない限り、そのGDP(国内総生産)は急速に伸びて20年後には日本を軽く超えている。その10年か20年後には、今度はインドが日本を超えていく。もう分かっているんですよ。でも国の政策としてどう対応するのかを議論してきたのか?

NBO やっていない。

変わらないことに安住してきた戦後ニッポン

黒川 そうでしょう。その時になって慌ててもどうしようもない。今まで以上に、ビジョンを描くということが大切になってくるんです。

 だけど、少なくとも20年前は冷戦が終わるなんて誰も考えていなかったんじゃないの?「核の冬」と言われていた。だから、20年先を想像する時には、世の中の多くの人々が予想もしていなかったことが起きるんだということを肝に銘じておくことが大事なんですよ。

 経済の視点から言うと、約25年前、1970年代の終わりに『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本が出版された。米国で日本の車がばかすか売れ始めていた。その頃、「このまま行けば、経済はなんとか成長していくのかな」なんて多くの日本人が考えていた。そんな感覚で20年先を見るのは、全くイノベーティブじゃない。

 医薬の分野でも20年という単位では革新が起きる。今、コレステロールと大騒ぎをしているけれど、20年ぐらい前にスタチンというコレステロールを下げる薬が初めて出た。この薬は日本発なんだけれど、世界中で6000万人ぐらい飲んでいるメガヒットになっている。胃潰瘍や十二指腸潰瘍だって、最近日本でも市販されるようになった飲み薬のおかげで手術しなくても治るようになった。胃潰瘍の手術なんて今はほとんどないんですよ。そのぐらい変化しているんです。

 ビル・エモットが『日はまた沈む』を書いたのは1989年だったけど、日本人はまだ大丈夫だと思っていた。この年には、天安門事件があり、秋にはベルリンの壁が落ちた。そして、“冷戦”が終わりを告げたんです。その頃から酸性雨とかグローバルウオーミング(地球温暖化)のメカニズムがかなり分かるようになってきて、オゾンホールが見つかり、これは大変だという話になってきた。世界はあの頃から急速に変容し始めたんですよ。

 ところが、日本は知らん顔していたんじゃないですか? 89年から国債をどんどん出した。85年から税収が減り始めていたからですよ。信じがたいことに、景気がどうもおかしくなってきているのに国家予算は逆に増えた。みんな、まだ大丈夫だと思っていたし、政・産・官の鉄のトライアングルですよね。

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