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「グライダー相場」に危うさ

好業績、円安が追い風の株高に潜む懸念

  • 編集委員 田村 賢司

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2006年11月8日(水)

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 9月末以降、史上最高値を更新するニューヨークダウに引っ張られるように上昇してきた日経平均株価。一服感も出ているが、一方で市場関係者の中には「基調の強さは変わらない」との見方も根強く、株価再下落を予想する声は少ない。株価は年末から年初にかけて上昇軌道を描くのか、それとも…。

 4月7日に1万7563円の高値をつけた日経平均は、5月半ばからの世界同時株安の大波にのみ込まれ、6月13日には1万4218円へ3345円も下落したが、9月末から反転。10月26日までに下落幅の約80%を回復し、一時1万7000円台に迫る勢いとなった。

再び円安が進んできた

 株価の押し上げ要因になる2006年9月中間期の企業業績も、10月27日現在で前年同期比8.6%増収、6.6%経常増益(新光総合研究所調べ)と堅調。通期の経常利益予想を見ても、野村証券の主要400社ベースで7.5%増益、大和総研の主要300社ベースで6.9%(ともに除く金融、8月初旬時点予測)と好調を持続している。

 加えて5月半ば以来続く円安は、足元で1ドル117~119円と、輸出企業を中心に一段の追い風となる状況。

 海外に目を転じても米国のみならず、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、香港、インドが軒並み大幅上昇し、大半が年初来高値を更新するなど、世界は再び株高の季節を迎えたかのようでもある。

 “強気派”が増える要因はこのあたりにあるが、子細に眺めてみれば、やはり危うさもうかがえる。世界同時株高の発火点、米国の株価上昇が意外なほど脆い構造の上にあるのだ。

日本株の出遅れが目立つ

米、景気減速懸念が株高に

 米国株の上昇の要因の1つは金利の先安感。米連邦準備理事会(FRB)は、景気の過熱とインフレ防止のために2004年夏以来、政策金利(FFレート)を計17回引き上げてきたが、今年6月29日の連邦公開市場委員会(FOMC)を最後に引き上げを停止している。

 現在の株高は、その先の利下げを見込んだ買いが一因になっている。利下げ期待の背景にあるのは、米国景気の減速予想。新築・中古の住宅販売戸数は昨年秋から減少に転じ、住宅価格の上昇も頭打ちになるなど、米国の好況を牽引してきた住宅ブームに陰りが明らかになってきたためだ。

 景気減速懸念を受けて、米FFレート先物は来年夏までに2回程度の利下げが行われるのを見越した水準に低下。「市場はその利下げを株価に好影響と読んで買いに入っている」(藤戸則弘・三菱UFJ証券投資情報部長)という。

 そしてこの米株上昇が、外国人投資家の日本株買い余力を増し、日本株上昇の一因となったと見られる。

 米国株と日本株など世界の株価上昇の要因の2つ目は、3~4年越しの商品価格高騰が一服したこと、とりわけ原油や金などが下げてきた点だ。例えば、7月14日に1バレル77.03ドルをつけた原油(WTI先物)は、10月20日には56.82ドルにも下落している。

 26%に及ぶその下落の導火線はやはり世界の景気減速懸念だったが、株価への影響は意外な経路をたどった。商品市場で実需と並んで大きな力を持つヘッジファンドなど投機筋の資金が大きく動いたと見られるのである。

 ヘッジファンドなど投機筋は、商品市場の下落とともに資金のかなりを引き揚げ、リスクの低い米国債などへいったん振り向けた。それが表れたのが、7月以降、加速した米国の長期金利の低下(債券価格の上昇)だ。

 この資金が途中から向かい始めたのが、米国や日本、欧州などの株式市場。つまり、ヘッジファンドの資金は、商品市場→債券市場→株式市場と動いて、世界の株価押し上げに一役買ったと見られるのだ。

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