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本間税制調査会、ジレンマの船出

法人優遇と家計圧迫の矛盾を解き、税の聖域に踏み込めるか?

  • 白石 浩介

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2006年11月8日(水)

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 政府税制調査会(首相の諮問機関)が新体制となってスタートを切った。

 当初は石弘光氏(中央大学総合政策学部特任教授、一橋大学名誉教授)の会長続投が既定路線と見られていたが、10月下旬に急遽、首相官邸の意向により変更され、本間正明大阪大学教授への交代が決まった。財務省、総務省に加えて内閣府を新たに事務局に加える案が浮上したり、開催場所を首相官邸にするなど、これまで政府税調を取り仕切ってきた財務省に対して、首相官邸側がいろいろと注文をつけている。

税調の構造改革は本物か?

 政府・官庁には審議会、懇談会、調査会と呼ばれる諮問機関が多く存在するが、政府税調はとりわけ権威があるとされてきた。税調委員は産業界、労働・消費者団体、マスコミ、学界などから重鎮が選出され、事務局である財務省と総務省は万全を期して報告資料を用意し、委員らがレベルの高い議論を重ねる。国の根幹である税制を扱うだけに“重み”が必要なのである。

 これまで政府税調の舞台回しを誰がしてきたかというと、やはり官側の財務省であった。官が立てた筋書きに沿って日本を誘導していくという政策決定メカニズムは税制の分野においても例外ではなかったが、官邸はその聖域にメスを入れようとしているというのが、今回の会長交替劇から読み取れる本質ではないか。

 経済政策における税制の位置づけの変化も、税制調査会の変質を後押ししている。「官から民へ」の動きの中で、公共事業に代表される政府支出による政策誘導は時代遅れとなり、収入側である租税政策のあり方に注目と期待が集まっているからだ。

最初の仕事は法人税の優遇措置

 当然、財政政策の主軸として成長重視路線がすえられたわけだが、その根幹をなすのが、法人税を引き下げることによって企業活力を浮揚させることである。実は日本では、1980年代半ばから産業の国際競争力の維持向上を狙って法人税率が引き下げられてきた。ただし、同じ時期に世界各国でも法人税が引き下げられたので、当初期待されたほどの成果を上げていない。

 しかも、法人税の減価償却制度では、主要国では設備投資の全額を損金に算入できるのに日本だけが損金算入の金額に上限が設けられているというハンディキャップがある。そのため、本間税調の最初の仕事は、年末の税制改正に向けて減価償却税制を中心とする法人税を見直すことになる。安倍政権の新路線を強力にアピールするためには、かなり大胆な改正が必要になるだろう。

 その一方で、2006年の前半に盛り上がりを見せた歳出・歳入一体改革を巡る議論では、経済成長による税収増を見込んでも、なお消費税率に換算して2~3%程度の歳入不足は避けられないという結論に達した。その試算に対してさえ、「楽観に過ぎる」という批判がある。やはり何らかの増収策が必要なのである。

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