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米中間選挙、民主党勝利のリスクを読む

スキャンダル追及による混乱と保護主義台頭の恐れあり

  • 安井 明彦

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2006年11月9日(木)

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 11月7日に行われた米議会中間選挙で、民主党が大きく躍進した。上院では拮抗、下院では多数派の座を獲得。今後、ジョージ・ブッシュ大統領の政策運営が難しくなることは間違いない。

 しかし、議会の多数党の座を獲得したからといって、民主党に様々な政策の方向性を一気に変えるだけの力はない。米国の経済政策がすぐさま大きくぶれるようなことはないだろう。

第2の“モニカ・ルインスキー事件”が勃発?

 民主党は今回の選挙で、2つの「妨害する力」を獲得した。

 第1にブッシュ政権の提案を拒否する力である。議会が立法化に同意しなければ、つまり、多数派の民主党がイエスと言わなければ、当然のことながら、ブッシュ政権は新たな政策を実現することができない。過去のデータを調べてみると、議会の投票結果が大統領の意図する通りになった割合は、大統領と議会の多数派が同じ政党だった時が81.7%であるのに対して、政党が異なる場合には60.7%と明らかに低い。

 民主党が得た第2の力は、ブッシュ大統領の政権運営を厳しく調査する力である。民主党にとっては、イラク復興事業に絡んだ政権と企業の癒着疑惑など、調査をかけるネタには事欠かない。議会による徹底的な調査活動は政権を疲弊させる。

 実際、前回下院の多数党が交代した1994年の中間選挙後、多数派の座についた議会共和党は“モニカ・ルインスキー事件”を題材にして当時のビル・クリントン大統領の弾劾に突き進んだのである。これと同じようなことが繰り返される可能性はある。

減税から増税への転換は起こらない

 しかし、民主党が得た「力」には限界がある。民主党には「妨害する力」はあるが、「実現する力」がない。これまた当然のことながら、民主党が新しい法律を成立させるには大統領の署名が必要である。民主党が議会で法案を通したとしても、ブッシュ大統領が拒否権を発動すれば議会民主党には抵抗する術がない。議員の3分の2の賛成があれば議会は大統領の拒否権を覆すことができるが、民主党の議席はそこまでは増えていない。

 こうした状況を勘案すると、民主党議会が誕生したからといって米国の経済政策の方向性が大きく変わるとは考えにくい。今回の選挙戦を通して共和党陣営は、「民主党議会が誕生すれば間違いなく増税に踏み切るはずだ」と主張してきた。しかし、そうした法案が議会を通っても、ブッシュ大統領は拒否権を発動するだろう。

 例えば“ブッシュ減税”がひっくり返されるようなことは考えにくい。ブッシュ政権が行った一連の減税は2010年末までの時限的措置であり、2004年の大統領選挙でブッシュ政権がその恒久化を主張する一方で、ジョン・ケリー候補を擁する民主党は高額所得者向けの部分について期限切れを待たずに廃止すべきだと主張した。

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