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「成長の壁」に窮余の一策

日清、キリン、住友商事…頻発するTOB

  • 馬場 完治

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2006年11月27日(月)

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 「明星食品さんとウチというのは一番よい組み合わせだと思ってますけど…」

 救いを求められて重い腰を上げた「ホワイトナイト(白馬の騎士)」だからか、日清食品の安藤宏基社長の口調は淡々としていた。

 今月15日、東京・日比谷の帝国ホテル。日清はスティール・パートナーズによる敵対的TOB(株式公開買い付け)に対抗する友好的TOBを発表した。明星を子会社化すれば、即席めんの国内シェアは50%を超える。成熟産業の業界で勝ち続けるために、明星の「チャルメラ」などのブランドを手に入れる意味合いは小さくないはずだが、相乗効果の見極めはこれからといった感じだ。

 一方、投資ファンドの攻勢を避けるため、日清傘下に逃げ込む格好の明星。自らの経営責任はどうなのかと問われた永野博信社長は「ファンドの外圧を心配しなくて済む。ノンフライめんの新製品開発に専念したい」と答えるのが精いっぱいだった。

 話題を集めた資本業務提携にもかかわらず、最後まで熱気に欠けたお披露目。そして両トップは写真撮影で握手を交わして見せた後、記者団を避けるように足早に、控え室へ消えた――。

買収投資3年で1400億円

 24時間後、同じ日比谷にある宴会場の大広間。今度は、キリンビールとメルシャンの経営陣がTOBによる資本提携の発表に臨んでいた。

 キリンが株式の50.12%を買い付けて子会社化するメルシャンは、キリンが手薄なワイン事業に強い。両社が組めばワインの合計出荷金額は382億円と、トップのサントリー(400億円、いずれも推計)に迫る。キリンのワイン事業をメルシャンに集約し、メルシャンが「キリングループのワイン事業部門」の機能を担う。戦略は明快だ。

 2004~06年の3年間に約1000億円のM&A(企業の合併・買収)投資を計画していたキリン。サンミゲル(フィリピン)への出資などもあるが、キリンビバレッジの完全子会社化、メルシャン買収と国内向けが膨らみ、総投資額は予定を400億円オーバーした。

 メルシャンを子会社化するのは1兆6000億円台の連結売上高を2015年に3兆円に増やす長期計画に沿った動きでもある。加藤壹康社長は「国内事業の再成長が狙い。国内最強の酒類メーカーにしたい」と繰り返す。

週1件ペース、年間3兆円超

 M&A仲介会社レコフ(東京都千代田区)と日経ビジネスの集計によると、2006年のTOBは11月20日までに50件を超え、公表金額も3兆5000億円超と昨年1年間の5倍以上に膨れ上がった。友好的、敵対的を問わず、毎週1件ペースで頻発している計算になる。

 しかも、大半は事業会社が買い付けの主体。表に掲載した以外にも、2月の商船三井(宇徳運輸に対するTOB)、7月のファーストリテイリング(同キャビン)、11月の日立金属(同NEOMAX)など、名前を聞けば誰でも分かる企業が顔を出している。

 企業の財務戦略に詳しい大和証券SMBC事業調査部の太田達之助部長は「買収防衛策も含め、かつてないほど企業の関心がM&Aに向いている」と見る。復活を遂げた日本企業の「攻めの経営」の象徴というわけだ。


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