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経済活性化と格差是正の隘路

「二兎を追う」難題抱える政府税調

  • 編集委員 田村 賢司

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2006年11月29日(水)

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 首相官邸の意向で会長以下、メンバーの大半が入れ替わった政府税制調査会が経済成長路線、工程表管理という「第2の経済財政諮問会議」的な性格を帯び始めた。

 石弘光前会長時代の“財政再建型”増税路線を大転換。本間正明新会長は減税で企業部門を伸ばして経済成長を図り、将来の財政再建につなげる新路線を打ち出した。しかし、法人税減税が当面の経済運営として有効なのかどうかには議論があり、安倍晋三内閣が掲げるもう1つの重要政策である格差是正の対策も不透明。

 いずれ、対策を迫られる可能性もあり、「成長」と「格差」の狭間でバランスをどう取るか、難しい課題に直面している。

「法人税率は30%台半ばの欧州並みが目標になる」と語る本間正明・政府税調会長  (写真 : 柚木 裕司)
「法人税率は30%台半ばの欧州並みが目標になる」と語る本間正明・政府税調会長  (写真 : 柚木 裕司)

 「税率を国際比較してみて法人税が(企業の)足を引っ張ってはいけない」

 本間会長は本誌の取材にこう答え、法人税の税率引き下げへの意欲を見せた。安倍首相の唱える経済成長路線の主要政策として法人税改正を捉えているためだ。

 具体的な“目標”は「(法人税率が)30%台半ばの欧州並み」(本間会長)。法人税の実効税率は、日本の場合、国と地方を合わせて約40%で米国(カリフォルニア州の場合)並みだが、欧州はフランスの33.33%、英国で30%など。これをフランスなどに近い水準に持っていこうというわけだ。

 手始めに2007年度税制改正に向けた今年末の議論で、法人税の短期的な軽減につながる設備の減価償却制度見直しに取りかかる。設備の償却期間を短縮するとともに、設備投資額のうち、損金に計上できる割合を現行の95%から100%にすることで、短期的に法人税の軽減を図ろうというものだ。

 そのうえで「2年目(2007年)以降、経済活性化のための税制改革のシナリオを考える必要がある」(本間会長)とし、来年から抜本的な法人税改革の議論を本格化させる構えを見せた。

 目標は2011年。小泉純一郎前首相が財政再建の重要な目安となるプライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するとした2010年代初頭に間に合うように、「法人税減税→企業の競争力強化→経済活性化→税収増」を図ろうという算段だ。

諮問会議並みに地位向上?

 そこで出てくるのが、諮問会議で多用されてきた工程表的な管理。本間会長自身、小泉政権下での諮問会議で民間議員を務めており、その手法を政府税調にも持ち込もうとしていると見られる。

 その路線にうかがえるのは、本間会長の下、政府税調が政府部内で極めて重要な組織になりつつある姿である。かつて、自民党税調のドンだった故・山中貞則氏に「(政府税調を)軽視しているのではない。無視しているのだ」とさえ言われ、実質的な力に乏しかったが、ここにきてその力関係は一変しようとしている。

 「今、各国とも成長戦略の中で、税制は大きなウエートを占めるようになってきた。成長への貢献を税制に求めるようになっている」

 こう話す本間会長は、今月7日の政府税調第1回会合後の記者会見でこうも言っている。「従来のやり方であれば、我々(政府税調)が基本的な理念や枠組みを整理して、党(税調)の側が具体的な設計を仕上げていく。そういう構図だったが、今年に関する限り、その仕切りが大きく変わる」。

 合わせてみれば、経済政策の柱として税制を取り仕切り、経済財政諮問会議と並ぶ、政権の両輪になった観さえある。「工程表的管理」は、その象徴とも見える。

 しかし、経済成長優先のこの方向は今後、議論を呼ぶ可能性もある。その1つは、法人税減税は本当に経済活性化につながるのかという疑問だ。

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