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内部統制を巡り馴れ合う役所と企業

金融庁ガイドラインに本質的な問題あり

  • 水野 博泰

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2006年11月29日(水)

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11月21日、金融庁の企業会計審議会(長官の諮問機関)の内部統制部会(部会長:八田進二青山学院大学教授)は、内部統制の実施ガイドライン案「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(公開草案)」を公表した。内部統制は2008年度から上場企業に義務づけられる。企業法務に詳しい中島茂弁護士に意見を聞いた。(聞き手は、日経ビジネス編集委員=水野 博泰)


NBO 企業の内部統制担当者にとって“待望”のガイドライン案が出ました。細かい点はともかく、全体的にどんな印象を受けましたか?

中島 会社法の362条には「業務の適正確保」(取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備)が、内部統制だと書いてある。

 内部統制を分かりやすく言えば、企業にとっての健康管理です。セルフチェック、自己管理のシステムを作りなさいというわけです。人間だったら、家族を養っていくんだから体に気をつけなさい、酒もほどほどにして週2日は“休肝日”を設けて、自分の健康は自分で管理しなさいって言われるわけです。業務の適正確保というのは、それと同じことなんですよ。

 でもね、健康管理は本来、自分でやることですよね。例えば、ウエスト85センチメートル以上は「メタボリック」だから大変なことになるぞって脅かされて、食事はこうして、運動はああしてなんて“お上”から細かく指導されたらたまらない。「大きなお世話だ!」と言いたくなりますよね。

 今回のガイドライン案には、それと似通った印象がある。企業からすれば、大きなお世話だと言いたくなるようなところがあるのではないか。

“官製ルール”を待ち続ける企業は不可思議

NBO ガイドラインは、企業や会計監査人が内部統制で何をどこまでやればいいかという基準だけに、企業側には早く出してくれという声がありました。

中島 私は少し変だと思うんです。本当に、「国がガイドラインを出してくれなければ企業組織の内部統制ができない」というなら、奇妙な話ですよ。自分の健康管理ですからね。健康管理は自分で考えるのが基本で、お上によってルール化されようとしているというのに、ひたすら黙って与えられるのを待っていたんだとしたら、企業側の姿勢は不可思議です。

 対象を絞り込んだりして企業側の負担を軽減したということのようですが、ガイドライン案を読むと、「何から何まで」「手取り足取り」の感を禁じ得ません。誰のための内部統制なのでしょうか。企業のためであり、消費者や投資家、株主のためでしょう。今の空気は、国が企業を管理しやすくするためのもののようにさえ感じてしまう。

NBO なかなか厳しい見方ですね。役所の側にも、企業の側にも問題があると?

中島 これは、企業にとって極めて重要な問題ですからね。

 そもそも、「内部統制」という言葉がいけない。Internal Controlの訳だと言われているけれども、いかめしいし、あまり良いイメージの言葉ではありません。「自己管理」と言った方がはるかに分かりやすい。要するに「マネジメント」なんです。英語の辞書を引くと、マネジメントとは「あれこれ苦労してなんとかすること」です。創意工夫、試行錯誤を繰り返して、より良い経営と組織を目指すことです。その方法論についてお上にご指導いただいて、それに黙って従うという類のものではないんですよ。

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