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ソニー、聖域にようやくメス

異例の人事で“ポスト・久多良木”新体制へ

  • 山崎 良兵 , 中島 募 , 大竹 剛

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2006年12月11日(月)

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 12月1日、家庭用ゲーム機「プレイステーション」の生みの親であり、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の売上高を1兆円近くまで育て上げた久多良木健社長兼CEO(最高経営責任者)が、突然、会長兼CEOに“昇格”を遂げた。「どの会社でもあるでしょう。私どもも普通の会社と同じように、(世代交代など)先のことを考えたわけです」。あるSCE幹部は人事の狙いをそう解説する。今後、久多良木氏は、プレイステーション事業の長期的な成長戦略を描く立場となり、日々の執行からは一歩退く。

久多良木氏の影響力は低下

 これまでSCEで代表権を持つのは、久多良木氏と、CFO(最高財務責任者)の加藤優氏の2人だけだった。それに新たに社長兼COO(最高執行責任者)に就任する平井一夫氏と副会長に就任する佐藤明氏が加わる。プレイステーションのハードウエアを開発してきた久多良木氏とは対照的に、平井氏と佐藤氏はともにソフト事業に長く身を置いていた人物だ。集団指導体制が鮮明になることで久多良木氏の影響力が相対的に弱まり、「ハードからソフトへとSCEの戦略の軸足が移る」のは確実な情勢である。

 しかし、よりによって、なぜこの時期に経営体制を変更するのか。SCEは11月にプレイステーションの最新機種「プレイステーション3(PS3)」を6年ぶりに日米で発売したばかり。基幹部品の製造が遅れたことで発売当初に日米合わせて50万台しか用意できず、依然として店頭では品不足が続いている。しかも、来年3月には欧州での発売が待ち受けており、供給体制の拡充に向け予断を許さない状況だ。

 人事を発表した翌日には、ライバルである任天堂の「Wii」が発売になり、米マイクロソフトの「Xbox 360」も全世界で攻勢を強めている。対抗上実施した値下げや出荷の遅れなどから、ソニーの2007年3月期のゲーム事業の営業赤字は、当初計画の約1.5倍の2000億円にも膨れ上がる見通しだ。

 窮地に追い込まれている状況での経営体制の突然の変更は、異例の事態と言っていい。SCE社内に動揺を招き販売にも悪影響を及ぼしかねないだけに、SCEの焦燥感が透けて見える。

ハードからソフトに軸足移す

 とりわけ注目が集まっているのが、久多良木氏に代わって事実上のトップに就任する平井氏である。先のSCE幹部は「今後、経営の実権は平井さんに徐々に移っていきますよ。今までも役割分担はあったが、ここで一段と任せる体制ができた」と打ち明ける。

 平井氏は北米でプレイステーションを成功に導いた実績を持つ。1984年に日本のCBS・ソニーレコード(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社、米ニューヨーク駐在を経て95年にSCE米法人に移り、以来、米国におけるゲーム事業の成長を牽引してきた。

 北米のゲーム会社との関係を強化して、スポーツやハリウッドの映画を題材にしたゲームなど、数多くのヒット作が誕生するきっかけを作った平井氏は、早くから久多良木氏に高く評価されてきた。96年に米法人のCOOに就任して以来、わずか7年でCEOに上り詰めている。最近ではソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEOとともにPS3の発売イベントに出席するなど、存在感を増していた。

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