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2007年を斬る: 日銀の利上げは1月と8月

金融政策は年央に変極点を迎え、為替は110円近くへ円高シフト

2007年1月10日(水)

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 2007年、日本の金融政策で最大の注目ポイントは日本銀行による利上げのタイミングである。筆者は、追加利上げは2回──1回目は1月、2回目は8月に実施されると読む。

政治サイドからは逆風、景気・物価情勢からは追い風

 2006年は、日銀が低金利政策の是正に動き出した年だった。3月に量的緩和を解除、7月にゼロ金利が解除された。これは筆者の事前予想(4月に量的緩和解除、10月にゼロ金利解除)よりも早いペースであり、日銀は利上げに対して慎重な姿勢を貫きながらも着実に前に進んでいたのである。小泉政権には金融政策に自由度を与えるという姿勢があり、それが大きな支援材料になったと言える。

 しかし、2007年は様子が違う。支持率の低下など安倍政権が必ずしも盤石ではないこと、統一地方選(4月)、参院選(7月)、総選挙(11月)という“選挙の年”において利上げに踏み切ることは、政権との間に摩擦を伴い、かなり厳しい逆風にさらされると考えられる。2006年は「まだか、まだか」という前倒しバイアスが作用したが、2007年は「まだだ、まだだ」という後ずれバイアスがかかってくる。

 2007年の利上げに関しては政治サイドから慎重さを求めてくることは間違いないだけに、日銀にとっては景気動向や物価情勢を追い風に受けることが必須条件になる。

 景気については、2006年春から鈍化している成長率が2007年央からは再拡大へ向かうと見られるため、利上げには追い風である。

 成長率が鈍化している背景には、電子部品デバイス(ハイテク部門)の在庫調整が2006年6月から始まっていることがある。生産全体で見れば素材業種を中心に堅調だが、ハイテク部門における鈍化が全体に広がることへの懸念は根強いのである。ただし、今回のハイテク部門の調整は比較的底が浅いので、2007年春には調整局面を抜け、夏場には再拡大が展望できる。外需が堅調に推移するならば日本の大手企業の経常利益は5年連続の増益を達成し、それが設備投資の拡大につながっていくと見込まれる。

 金融政策に強い影響を及ぼす消費者物価もプラス方向の動きが予想される(図1)。2007年1~4月にかけては、タクシー料金、電気・ガス、航空運賃、タイヤ、トイレットペーパーの値上げが予定されている。原油高騰の一服が価格下落圧力となる一方で、既往のコストアップ分を転嫁しようとする値上げの動きがせめぎ合うことになる。消費者物価の上昇率は、年央にかけて0.5%にまで高まると見られる。

 労働需給の変化も消費者物価の上昇要因となる。2006年11月の失業率は4.0%となった。失業率が4%を切ってくると賃上げ圧力が高まってくる。現在の雇用環境は所定内賃金の伸び率がマイナスに転じ、賃金上昇など進みそうにないとの印象が強いが、2007年央に景気が再拡大局面に入れば状況は変わってくるはずだ。

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「2007年を斬る: 日銀の利上げは1月と8月」の著者

熊野 英生

熊野 英生(くまの・ひでお)

第一生命経済研究所首席エコノミスト

横浜国立大学経済学部卒。1990年に日本銀行入行。2000年に第一生命経済研究所へ入社。2008年に日本FP協会評議員。2011年4月から首席エコノミスト。2014年6月から日本FP協会理事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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