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2007年を斬る: 人口減社会の実像(前編)

50年後に日本の人口は9000万人に、そして減少は止まらない

  • 水野 博泰

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2007年1月12日(金)

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 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は2006年12月、「将来推計人口」を公表した。それによると、現在約1億2800万人ある日本の人口は、50年後の2055年には3割減って9000万人を切る。100年後の2105年には最良のケースで約6300万人まで、最悪のケースでは約3400万人まで激減するという参考推計値も示した。推計作業の責任者である人口動向研究部長の金子隆一氏に、その数字が意味するところを聞いた。(聞き手は、日経ビジネスオンライン副編集長=水野 博泰)

金子隆一氏

国立社会保障・人口問題研究所の金子隆一氏

NBO 今回の推計はかなり厳しい内容になっています。その結果については盛んに報じられていますが、実際に推計を担当された方の実感を伺いたい。

金子 推計が描く社会というのは大変厳しいものであることを、各報道は正しくとらえていると思います。ただ、まずは将来推計というものはどういう性質のものなのか、一番根本のところからお話をさせてください。

 将来推計というのは、未来がどうなるのかということを見通した予測です。予測にはいろいろなやり方がありますが、将来推計人口は個人的な意見や見方によるのではなく、できる限り中立的、客観的、科学的な方法で行うことを基本方針としています。取りも直さず実績データに基づき、学会などで認められた推計モデルや理論を用いています。

 ただし、それで見事に将来が言い当てられればこんなにいいことはないのですが、残念ながら今の人間が持っている技術、特に社会科学の分野においては、将来を計量的に正確に言い当てる方法論は持ち合わせていないのです。

NBO 「必ずこうなる」というようなものではないわけですね。

金子 はい、極力科学的にやるしかないということです。少し専門的になりますが、予測には「無条件予測」と「条件予測」という2種類があります。無条件予測というのは、社会の諸条件を含めて予測して人口についてはこうなりますというものです。それに対して、例えば出生率はこのような推移をして、寿命はこのぐらい延びて、国際人口移動はこのぐらいになったら、人口はこういう姿になりますというのが条件予測です。

 条件そのものの推移を正確に予測することはできませんが、実績値から想定の幅というものを科学的に絞り込むことはできるわけです。出生率や死亡率などについてはかなり正確に見通すことができます。そういった、想定の幅を科学的に絞り込んでいけば、結果として人口の推移というものの幅が見えてきます。それが分かるということは、何も分からないよりも、私たちの将来について考える材料になる。人口推計は、そういった考え方で出しています。

推計データが映し出す過酷な未来

NBO 新聞の社説の中には、「現実に近い厳しめの数字を出してきたことは評価できる」というような書き方もありましたが、“甘め”とか“辛め”というようなさじ加減はしていないということですね。

金子 回を追うごとに厳しい内容になっていますから、「今回はいよいよ本格的に厳しいぞ」という印象を一般の方は持たれていると思います。ただ、細かい推計技術は別にして、科学的、中立的という基本スタンスは全く変わっていません。

 今回、皆さんが「厳しい」という印象を持たれるのは、実績データがいよいよのっぴきならないところまで来ているからだと思います。しかし、今回の推計データはもっと厳しい将来像を映し出しているのです。

NBO どういうことですか?

金子 出生率の低下です。専門的には「合計特殊出生率」と呼ばれるもので、平たく言えば、1人の女性が平均して産む生涯の子供の数です。人口を推計する上で、出生率は非常に大きな位置を占めます。我々の推計では、女性の一生を結婚、出産という切り口から形作ります。これも専門的になりますが、「コーホート出生率法」という手法を取ります。コーホートというのは同じ年に生まれた同じ世代という意味ですが、世代ごとに生き方や一生の過ごし方が変化してきていますから、まずそれを描き出していって人口に“翻訳”するという作業になります。

 2005年の合計特殊出生率の実績値は「1.26」でした。今回の推計では2055年の合計特殊出生率が「1.26」になるという結果が出ました。一見、「ああ、50年経っても出生率は変わらないんだ」と思われるかもしれませんが、これら2つの数字の意味は全く違います。同じになったのは、ただの偶然です。

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