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2007年を斬る: 自立せよ、団塊世代!

あなたも“財政的幼児虐待”の加害者になっていませんか?

2007年1月11日(木)

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 日本は人口が過密で慌ただしい。人が減ったらゆとりが広がり、日本人の幸せ度も増す。だから人口減少は歓迎すべきだ──。

 などとしたり顔で話す“有識者”が多いことに、うんざりしてきた。こうした主張はちょっとばかりお洒落に聞こえるし、語り手がインテリっぽくも見える。だが、人口減少歓迎を唱えるのはたいていが58~60歳の「団塊の世代」か、それより上の世代だ。30年後、50年後に自身がこの世にいない人の無責任発言である。

世代間不均衡の上にもう「あぐら」はかけない

 人口減少は今世紀の日本にとって最大の試練であることは間違いない。特に辛いのは、団塊世代(1947~49年生まれ)と団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)の2つの大きな塊が相次いで高齢化のピークに達する前半の50年間だ。働く人すなわち納税者が減り、高齢化の加速度は増す。医療、年金など社会保障制度を支える若い層は先細りになり、税金や保険に関する一人ひとりの負担が高まる。

 マクロ指標を見ると、日本は特に「世代間先送り」の傾向が強い。

 ある国で1年間に集められた税金の総額を、その年の国民所得で割った値を「租税負担率」という。日本の租税負担率はどの程度か。2006年度は23%。ヨーロッパの主要3カ国のどの国よりもかなり低い。ドイツは28%、フランス36%、イギリス36%だ(いずれも2003年)。アメリカはどうか。日本より重税感は小さいという先入観を抱きがちだが、実は23%(2003年)と日本と同じ程度だ。

 では、租税負担率に社会保障負担率(国民所得に対する社会保険料の総額の比率)を合わせた「国民負担率」はどうか。日本は37%、アメリカは31%だ。この国民負担率には国や地方自治体の借金、つまり財政赤字が含まれていない。それは、今から生まれてくる将来世代の肩に税負担となってのしかかってくる。

 そこで、国民負担率に国民所得に対する財政赤字の残高の比率を足した「潜在的国民負担率」を見ると、日本が43%、アメリカは38%。ヨーロッパ諸国はおしなべて高く、イギリス51%、ドイツ58%、フランス66%。高福祉国スウェーデンは71%だ。

 ただしスウェーデンのサラリーマンやOLが給料袋から7割をさっぴかれているというわけではない。国民負担率は一国経済の規模に対して、企業が払う分を含めて税や社会保障の負担がどの程度かを示すマクロ指標である。スウェーデンは高負担国には違いないが、個人に対する税金は所得税などより消費税の方が基幹的な役割を果たしており、必ずしも個人の可処分所得が劇的に少ないわけではない。

 要するに、日本では潜在的負担率と国民負担率の差の大半が国や自治体による膨大な借金の「世代間のツケ回し」によるものなのだ。国債が満期を迎えれば借金を国民に返すか、新しく国債を出して借り換えねばならない。日本の財政運営は借り換え、借り換えの連続だが、いずれは利息とともにきっちり返す日が来る。その時、財源はどこから出るのか。その時代の納税者にほかならない。

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