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2007年を斬る:北朝鮮に起死回生策アリ(前編)

この夏、盧武鉉は南北首脳会談に打って出る

2007年1月16日(火)

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  昨年夏のミサイル実験、そして10月の核実験。年末の6カ国協議も進展はなく、今年も北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の動向に日本、そして国際社会は振り回されそうだ。北朝鮮の行動原理を、周到な核戦略に基づくものとして分析し、核実験に至る流れを予言していた武貞秀士・防衛省防衛研究所主任研究官に、2007年の半島情勢について見通しを聞いた。(聞き手は日経ビジネスオンライン副編集長=山中 浩之)


NBO 昨年末に韓国に行かれて、北朝鮮に「太陽政策」を取ってきた盧武鉉政権への批判の高まりを実感されたそうですが。

武貞 そうです。今まで南北融和を積極的に支持してきた人々の間で、どうも話がおかしいという見方が広がっている。盧武鉉大統領への支持率低下と符合していますね。

NBO 昨年の夏、日本が北朝鮮問題で大揺れだった頃は、韓国の雰囲気は総じて「米国や日本が経済制裁で北を追い込むから、北は核を手放さないし、実験に踏み切ったじゃないか」といったものだったそうですね。それが相当変わったと。

韓国の空気は北と盧武鉉に冷たくなった

武貞 金大中と盧武鉉、この2つの政権は北を見誤っていたという声が大きくなっています。陸軍士官学校、在郷軍人会、ニューライト(全斗煥時代の左翼運動の活動家たちが中心。現在は保守的な勢力に)などが主催したいくつかの会議に出席したんですが、NGO(非政府組織)活動をしている人たちなど、盧武鉉政権の政策を支持した若者たちにも変化が起きている。「同族だから許そうという考え方(太陽政策)自体が間違っている。人権問題を考えても、ひどい国だ。それを我々は制止しなきゃいけない」という声が、増えてきています。人権を無視して体制の維持を図っている体制は許せないと。これは、ずいぶん流れが変わってきたなと思いました。

NBO 北に融和的だった盧武鉉政権がレームダック化し、国民感情が冷ややかになってきた。武貞さんは北のシナリオを「韓国に対して同族意識に訴えて融和ムードを促進し、韓国の北に対する戦意を喪失させ、北が南侵した時にトラップワイアになる在韓米軍を撤退に持ち込んだうえで、核弾頭付きの大陸間弾道ミサイルで脅かすことで米国の朝鮮半島に対する軍事介入を阻止、一挙に統一に持ってゆく」と見ていますが、それからすると韓国社会の最近の状況はかなり厳しいですね。その見方からシミュレーションすると、次の一手はどうなりますか。

武貞 南北首脳会談でしょうね。

 北朝鮮は、韓国社会の北に対する融和ムードを回復させ、かつ、米国の韓国における軍事力を低下させる手段を講じたいと考えているでしょう。そのためには、盧武鉉政権に現状を打開させる起死回生の一打を打たせねばならない。そこで、現政権が南北首脳会談を開催することに協力するわけです。韓国の識者からも異口同音に「今年の夏までに盧武鉉大統領と金正日総書記の首脳会談が実現する可能性はかなり高い」と聞いています。

首脳会談で起死回生、時期は夏、平壌で

NBO 首脳会談が開催されると?

武貞 そうすると、朝鮮半島は激動の時代に入ります。北は、「南北の間で連邦制宣言をやりましょう」と言ってくるでしょう。「連邦制国家成立」という宣言では、韓国の国民はとてもついていけないので、南北統一の3段階のうち、第1段階の緩やかな連邦制の状態に入ったと、南北首脳会談で韓国に約束させる。まずはその可能性が高いでしょう。これを意識して保守派は、首脳会談阻止に必死になっています。

NBO 融和ムードが始まったのは2000年6月の南北首脳会談の時からですね。共同宣言では、首脳会談の次の場所はソウルで、となっていましたが。

武貞 いや、平壌でやることになるでしょう。ソウルで行うには問題が多すぎる。例えば、ソウルで韓国国民のデモが起きては、冷たくなった南北関係を世界にアピールすることになりかねず、不測の事態が起きて戦争、という事態になる可能性もある。北も韓国社会の金正日体制への見方が変化していることを知っている。だから、ソウルで開催することは難しい。

 問題は韓国が2回連続で平壌での会談に応じるかどうかですが、これは応じるでしょう。首脳会談は「金正日総書記が大統領選挙の年に盧武鉉政権に対してプレゼントをあげますよ」という展開です。

NBO 連邦制への歩みを宣言するだけでは、韓国側にメリットは薄そうです。

武貞 北が、韓国大統領を平壌に呼んであげる。その時に米国、中国が北に対して約束をさせることができなかったあれこれを北が韓国に提案して、盧武鉉政権の業績にする。これが、招待に応じる盧武鉉側のメリットです。

 北は(融和的な)盧武鉉さんの後継者と目される人を次の大統領として当選させることが至上命題です。いいものをあげて、彼の後継者に大統領選挙を優位に戦わせることを考える。その代わりに、韓国からも得られるものは得る。

NBO 例えば。

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「2007年を斬る:北朝鮮に起死回生策アリ(前編)」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官