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東京電力

順調な業績に水をさすデータ改ざん

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2007年1月18日(木)

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 東京電力の発電施設で、安全性を確認するために測定されているデータの改ざんが相次いで発覚している。

 11月下旬から1月中旬までに、4カ所の発電施設で問題が見つかった。2006年11月、東電は、新潟県の柏崎刈羽原発における海水の取放水温度の改ざんを報告した。続く12月には、福島県第一原発の取放水温度の改ざん、群馬県野反ダムの堤防の変形データに関する改ざんも発覚。さらに2007年1月、長野県渋沢ダムにおけるダムの水位データに関する改ざんも分かった。管理職が了承したうえの不正行為もあった。1月下旬までに改ざん問題の全容をまとめる見通しだ。

 東電は5年前の2002年にも同様な測定データに関連する不祥事を起こしていた。原子力発電所の設備トラブルの隠蔽問題だ。国による点検で、設備の機密性に関する不良を意図的な操作で隠していた。東電は不信を招き、原発の自主点検を余儀なくされた。原発の稼働率が他電力会社より2〜3割も低い5割程度に低迷したのはそのためだ。

 原発の稼働率低下で、東電の総発電電力量に占める火力発電比率が高まった。原油高騰の影響もあり、2006年3月期の燃料費は前期比で2175億円増の1兆400億円に上った。売上高の20%近い水準となる。

 原発では、ひとたびトラブルが起きれば、放射能漏れなどの惨事を引き起こし得る。改ざん発覚で、東電の安全意識の欠如を改めて疑われても仕方ない。原発の稼働に影響が及べば、東電の業績の先行きにも悪影響は及んでくる恐れがある。原油高の中で脚光を浴びている原発そのものに思わぬ逆風となる可能性もある。

手間と費用の回避が狙い

 原子力発電所は、核燃料を燃焼させて、発生した熱エネルギーを利用して蒸気タービンを回して発電する。蒸気タービンを回すために使われた蒸気を、復水器と呼ばれる装置で冷却して水に戻す。蒸気と熱交換するのは海水だ。海水を取水して、熱交換すると水温は上昇する。

 海水の温度上昇の程度は、プラントの運転状態を示す数値の1つだ。数値に誤りがあれば、原発の運転状況を把握するための指標が1つ失われることになる。運転制御や警報機能を有してはいないが、軽視はできない。さらに、海水温が大きく上昇したままであれば、温かい海水を放水することにより周辺海域の漁業に悪影響を及ぼす可能性がある。

 電力会社は原発が設置されている自治体との間で安全協定を結び、排水の温度が大きく上昇することがないように取り決めている。

 11月、中国電力で海水温の測定値に改ざんを行っていることが内部告発により発覚した。11月30日、東電は自主的な調査により柏崎刈羽原発においても同じ海水温の測定データの改ざんが行われていたと発表した。

 発表によると、東電は、1号機の復水器の出口の海水温を、同原発の技術課長の承認の下で12年間以上も0.3度低めに改ざんし、4号機の復水器の出口の温度も5年間近くも0.5度低めに改ざんしていた。そうすることで、原発施設による海水温の影響を低めに見せかけていた。いずれの改ざんも原発施設内の副所長をトップとする「信頼性向上検討委員会」は追認していた。

 東電は、改ざんの理由について、原発稼働時に海水温が上昇した際に、改善のための工事に手間や費用がかかることから、データ改ざんで乗り切ったと報告した。さらに、2002年の原発の隠蔽事件の後も、海水温の測定データは点検対象になかったために明るみに出なかったと説明した。

 11月30日、改ざん問題の相次ぐ発覚を受けて、経済産業省原子力安全・保安院は、原発だけではなく、発電用の火力発電、水力発電などにおいて不適切な改ざん行為がないかを点検するように指示を出した。

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