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利上げ断念の敗因は日銀にあり

次は「8月」、政治介入を恐れ市場との対話を怠ったツケは大きい

2007年1月29日(月)

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今回のインタビュー映像です。こちらも併せてご覧下さい

 日銀は1月18日の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。9人の政策委員のうち、「利上げすべし」が3人、「見送るべし」が6人と票決が割れた。会合後の記者会見で福井俊彦総裁は、3人と6人の間にはそれほど大きな認識の差があるわけではないと強調。今回の利上げに反対、つまり現状維持とした6人も2月以降に「判断に確証が持てれば即座に政策行動に出る」と述べている。

 「2月利上げ」に含みを残しているわけだが、絶好のチャンスだった1月を逃したからには、7月の参議院選挙までは利上げはない。追加利上げは早くても8月まで待たなければならないだろう。

個人消費の低迷、原油安で利上げどころではなくなる

 福井総裁は、2月15日のGDP(国内総生産)1次速報の発表を見極めたうえで2月20~21日の次回政策決定会合で追加利上げに再チャレンジしたいと考えているのかもしれない。1月の利上げ見送りの直後に市場関係者に対して行われたあるアンケート調査では「2月に追加利上げがある」という予想が7割を占めた。

 しかし、筆者はその観測は“砂上の楼閣”であると感じる。利上げに適した環境は時間の経過とともに崩れ、時機を失する公算が大きい。1月に利上げを見送ることになった慎重な意見が、2月になって大きく変化するとは考えられないからだ。

 日銀関係者は、2月15日の2006年10~12月のQE(四半期別GDP速報)で個人消費が増えていれば、2月21日に利上げに踏み切れるという観測をしきりに流している。だが、そう簡単ではあるまい。前の7~9月のQEは長雨の影響で落ち込み、消費税率引き上げの反動減が表れた1997年4~6月以来の大きなマイナス幅だった(図1)。10~12月がたとえ増加に転じたとしても、それで追加利上げの条件が整ったとするのは根拠として弱すぎる。2006年初に続いていた株価上昇の資産効果が剥落したために、2006年10~12月の個人消費は前年同期に比べて低調と見た方が無難である。

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「利上げ断念の敗因は日銀にあり」の著者

熊野 英生

熊野 英生(くまの・ひでお)

第一生命経済研究所首席エコノミスト

横浜国立大学経済学部卒。1990年に日本銀行入行。2000年に第一生命経済研究所へ入社。2008年に日本FP協会評議員。2011年4月から首席エコノミスト。2014年6月から日本FP協会理事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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