• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

市場に広がる“ゴーンショック”

日産、業績下方修正で経営幹部交代説も浮上

  • 宮東 治彦,大西 孝弘,江村 英哲,山川 龍雄

バックナンバー

2007年2月13日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日産自動車が2007年3月期連結業績見通しを下方修正した。営業利益は当初予想の8800億円を大きく下回る7750億円と、前年比でも11.1%減となる。トヨタ自動車、ホンダが実質的な増益基調をたどる中、カルロス・ゴーン社長が指揮を執って以来初めての減益となる日産の変調。その兆しは、1月中旬のある出来事に見えていた。

派遣技術者に残業自粛要請

 「残業は自粛してください」――。

 日産社内では1月中旬、派遣の技術者にこんな通知が出された。開発部隊では外部の派遣技術者を導入しており、日産では多い部署で2~3割を占めるという。ある技術者は語る。

 「派遣技術者は質、量ともに正社員と同様に働いている。月40時間ほどあった残業がなくなる影響は大きい」。そのしわ寄せは当然、正社員に来る。日産は2007年度に世界で11車種を投入する予定で、本来は多忙な時期。そんな時期のコストカットを目的とした残業自粛要請は、今期の業績目標未達への焦りが生んだ窮余の策と言える。

日産に来て初めての減益見通しとなった日産のカルロス・ゴーン社長。再度成長軌道に乗せ、ゴーン神話を復活できるか、正念場を迎えた (写真:村田 和聡)

日産に来て初めての減益見通しとなった日産のカルロス・ゴーン社長。再度成長軌道に乗せ、ゴーン神話を復活できるか、正念場を迎えた (写真:村田 和聡)

 どんな外部環境の変化が起きようとも、掲げた目標数字は必ず達成する。こんなコミットメント(必達目標)経営を身をもって実践してきたゴーン社長に、投資家は絶大な信頼を寄せてきた。それだけに、7年連続の増益記録更新を断念する下方修正に、証券市場では“ゴーンショック”とも言うべき狼狽が広がっている。

 2日に減益予想を発表した翌週、日産の株価は1500円台から1割近く急落し、1300円台後半で推移している。

 JPモルガン証券の中西孝樹株式調査部長は指摘する。「ゴーン社長は昨年の株主総会で下期に回復すると自信を持って語り、『トラスト・ミー』と言った。今回の下方修正は、投資家をはじめ関係者の信頼を揺るがすものだ」。

 中間決算時でも強い自信を示していたゴーン社長にとって、わずか3カ月で生じた誤算は2つある。その2つの中身を調べていくと、そこに今の日産が抱える構造問題が透けて見える。

 1つは収益の柱である北米市場の伸び悩みだ。2006年後半は、中型セダン「アルティマ」や小型車「セントラ」「ヴァーサ」を投入したが、2006年の米国販売台数は前年比5.3%減の107万台にとどまった。新車効果が出るはずの12月も前年比でほぼ横ばい、1月も4.5%増にとどまった。日産が狙った「前年比2ケタ増」には程遠い。

 志賀俊之COO(最高執行責任者)は、「新車(乗用車)の売れ行きは好調だが、ピックアップトラックやSUV(多目的スポーツ車)が悪く、目算が狂ってしまった」と打ち明ける。利幅の大きいトラックの不振が収益の足を引っ張った格好だ。

 それだけではない。アルティマは11月にモデルチェンジした新車を投入したが、6月に生じたエンジン部品のリコールで旧モデルの在庫が年明けまで残り、新車攻勢を鈍化させた。クレディ・スイス証券の遠藤功治アナリストは、「旧モデルの在庫はエンジンのピストンリングで品質問題が生じたため起きた。無理なコストカットなど目先の利益を追ったツケが出ていると言えなくもない」と指摘する。

 もう1つの誤算である、国内の販売苦戦も続いている。日産は昨年末、「ティーダ」など小型車のマイナーチェンジをした。エンジンと変速機を改良し、燃費を1リットル19.4kmまで向上した点をCMなどでアピールしているが、燃費に敏感なユーザーは各社の最も燃費が良い車種を比較する。すると日産の「マーチ」は同21kmで、ホンダ「フィット」の24km、トヨタ「ヴィッツ」の24.5kmに比べ見劣りする。ある日産系販社首脳は「燃費改善というアピールが強みになりにくい」ともどかしさを募らせる。

 また日産はスズキからOEM(相手先ブランドによる生産)調達した軽自動車「ピノ」を1月から発売した。軽は3車種目だが、ある販社は「小型車を薦めても値段が合わず、結局(利幅が小さい)軽自動車に流れることがある」と話す。日産は今期の国内新車販売台数(軽含む)を80万台にするが、その達成も難しそうだ。

コメント17

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面倒くさいことを愚直に続ける努力こそが、 他社との差別化につながる。

羽鳥 由宇介 IDOM社長