• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

暖冬でGDPが6200億円消失

消費低迷に痛い追い打ち、日銀の利上げ判断にも迷走の圧力

2007年2月16日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 この冬、日本は記録的な暖冬に見舞われている。2006年10~12月期と2007年1月の東京と大阪の平均気温は観測史上最高の気温となった。気象庁では日本に冷夏・暖冬をもたらすエルニーニョ現象が春先まで続くと見ており、1月25日に発表した2~4月の3カ月予報では、気温が北日本で「平年並みか高い」以外は、すべての地域で「平年並みより高い」と予想している。

10~12月期だけで実質家計消費8000億円の押し下げ要因に

 暖冬の影響は既に様々な方面に表れている。内閣府の「景気ウォッチャー調査」によれば、冬物衣料や冬の生活用品、灯油、スキー場などで中小事業者や百貨店、衣料品専門店が苦戦している。また、タクシー業者のほか、降雪量の減少により除雪収入を見込んでいた土木業者やスリップ事故による修理を見込んでいた自動車板金業者も悪影響を受けたようだ。一方、外出を伴う飲食関係やゴルフ場の来場者数は暖冬のおかげで順調に推移している。

 ただ、家計消費全体で見れば日本の暖冬は悪影響となる。事実、10~12月期の実質家計消費前年比と東京・大阪の平均気温前年差の関係からは、気温が上昇した時に実質家計消費が減少するという明らかな連動性が見られる(グラフ1)。

 そして、各四半期の実質家計消費支出が、所得に加えて気温や降水量、日照時間といった気象要因から受ける影響を探れば、10~12月期の気温が1度上昇した場合、同時期の実質家計消費を0.8%ほど押し下げる関係がある。

 この関係から、今年度の気象が平年並みとなった場合と比べれば、10~12月期は暖冬により、実質家計消費が1.0%(6711億円)程度押し下げられたことになる。さらに、前年比で見れば影響は拡大し、同時期の実質家計消費を前年比で1.2%(7985億円)程度押し下げたことになる。

 最終的に、家計消費の減少による輸入減少や在庫増加の影響も考慮し、今回の暖冬(10~3月)が経済全体へ及ぼす影響を試算すれば、平均気温が平年並みとなった場合に比べて5215億円、前年比で6205億円ほど実質GDP(国内総生産)を押し下げると見られる。

コメント9

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

「暖冬でGDPが6200億円消失」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック