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「春闘」を抜本改革せよ

“1000円”を巡る対立から抜け出し“人材育成”へ重点シフトを

  • 山田 久

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2007年2月20日(火)

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 2007年春闘では労使間の成果配分のあり方が大きな論点になっている。

 とりわけ、労働分配率を巡って両者の見解が大きく対立。労働側は分配率の低下は人件費削減の一方、株主配当・役員報酬を増やしてきた結果であり、今こそ消費喚起のためにも一律賃上げを実施すべきだと主張している。これに対し、経営側は、労働分配率はそもそも業種・企業によって異なり、業績の違いも大きい状況下、賃上げは個別企業ごとの問題だと反論する。

 そうしたあまり建設的とは言えない対立の構図のもとで、結局は賃金上げ額を1000円にするか2000円にするか、といった“従来型の枠組み”から抜け出せないままの交渉が繰り返されている。

春闘を未来志向の成果配分を議論する場として生かせ

 しかし、今求められているのはこれまでのパラダイムを抜本的に見直し、「新しい春闘のあり方」を創り上げることではないか。本来議論すべきは、労使の短期的な利害を超え、現下の日本が直面している大きな問題を認識したうえで、未来志向の新しい成果配分のあり方をどう創り上げるかである。そして、その具体的な形を労使で共同して創造していくことが、新しい春闘に課せられた最大のテーマであると考える。

 以上の点を明らかにするために、1990年代以降の労働分配率の動きとその背景で生じたことを振り返ってみよう。

 バブル崩壊後、労働分配率は上昇傾向をたどり、99年度には最高水準を記録。わが国では思い切った人員削減が難しいため、想定をはるかに上回る景気の落ち込みが分配率の大幅上昇をもたらした帰結である。

 ただし、この間、企業は手をこまぬいていたわけではなく、新卒採用を大幅に減らす一方、必要な労働需要は非正規雇用で補うことで総人件費の抑制を図った。さらに、90年代末以降は正社員の賃金制度にまで本格的なメスを入れ、いわゆる成果主義の名のもとで人件費削減に踏み切った。

人件費削減策がひき起こした深刻な人材不足

 当時は労働分配率の高止まりが企業業績を圧迫し、必要な設備投資ができないばかりか倒産に至りかねない厳しい状況にあったことを勘案すれば、こうした人件費削減策はやむを得ない措置であったと言える。しかし、そのやり方が結果として深刻な問題──「人材不足」をひき起こすことになった。

 すなわち、新卒採用の抑制・非正規雇用シフトは、能力形成上重要な時期を非正規社員として過ごさざるを得ない若者を大量に生み出した。わが国の場合、正規・非正規間の処遇格差は人材育成面でも大きく、多くの若者が十分な能力開発の機会に恵まれない状況が生まれた。また、成果主義の導入により最も賃金ファンドが削減された年齢層は30代であり、それが賃上げ幅の圧縮や昇進率の抑制により実施されたため、モラールや人材育成の面でマイナス方向に影響したのである。

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