• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

銀行が泡立てる再編の連鎖

ビール、百貨店…掻き回すのはファンドだけではない

  • 田中 陽, 戸田 顕司, 篠原 匡, 飯泉 梓

バックナンバー

2007年2月27日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「今の株価では誰も手が出せない。このまま終わる可能性もある」

 アサヒビールとの資本提携が取りざたされる中で、サッポロホールディングスのメーンバンク、みずほコーポレート銀行の幹部はこう漏らした。そして続けた。

 「だいたい、マスコミの皆さんが騒ぎすぎなんですよ」

 スティール・パートナーズから1株825円の買い付け価格で買収提案を受けたサッポロ。ビール業界再編はにわかに慌ただしさを増している。

 790円前後だった株価が提案後、再編観測の報道もあって900円台に急騰、サッポロ支援に手を出しにくい状況も生まれ、状況は膠着状態に入りつつある。とはいえ、投資ファンドが投じた一石は徐々に波紋を広げている。そして、その波紋を増幅しているのは、実はメガバンクなのだ。

みずほが身請け先を探す?

 「もうだいたい決まってますから」

 サッポロと親密な関係にあるみずほ証券を最近、訪ねたある外資系証券の幹部はみずほ証券の担当者からこう言われた。「ホワイトナイト(白馬の騎士)として海外企業を連れてくる用意がある」と申し出た時のことだ。その場で、みずほ証券の担当者は支援先としてアサヒビールを示唆したという。

 「サッポロの意思とは関係なく、銀行が身請け先を探している。サッポロにその気がないという状況だが、彼らが頭を下げれば事態は動く」と、別の投資銀行の幹部も打ち明ける。

 自主独立をうたうサッポロだが、足元の状況は厳しい。過去最高の営業利益を記録したキリンビール。同じく、経常利益で過去最高を叩き出したサントリー。好調な同業他社とは対照的に、サッポロは2期連続の減収減益。キリンが1000億円を超える営業利益を稼ぎ出す一方で、サッポロはわずかに86億円と、2006年12月期決算は独り負けの様相だった。

 少子高齢化によるアルコール需要の縮小は他社も同じ。他社が販売を伸ばす発泡酒や第3のビールで後塵を拝したサッポロ。焼酎事業の強化や海外ビールメーカーの買収など様々な手を打ってはいるが展望は開けていない。

 しかも、スティールは着々と株を買い増しており、いずれTOB(株式公開買い付け)に打って出ると見られていた。ファンドに20%近い株を押さえられたサッポロ。当事者能力を失う中で、メーンバンクが一足先に救済に乗り出したのだ。

 「音頭を取ったのは、両社のメーンバンクである三菱東京UFJ銀行なのではないか」

百貨店、ビール、水産… 流通・食品業界の再編が止まらない

百貨店、ビール、水産… 流通・食品業界の再編が止まらない

 銀行が大型再編の影にちらつく構図はビール業界だけに限らない。

 実現すれば百貨店業界1位となる大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合。金融界や百貨店業界の関係者の間ではこんな見方がささやかれている。

 もともと両社は、20年以上も前から商品券の相互利用が可能など近しい関係にある。過去には、岡田邦彦・松坂屋会長が「奥田務・大丸会長から『一緒になったら強くなれる』と言われている」と漏らすなど、両トップのつながりも深かった。本来なら、両社トップだけで経営統合を決めたと考えるのが自然な流れだ。

 三菱東京UFJ銀首脳も今回の件を「新聞で読んで知った」と関与を否定する。それでも、観測が尽きないのは、同行が以前から流通再編を促す意向を隠そうとしてこなかったからだ。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授