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道半ばの「平成大合併」

自治体の最適規模は「約18万人」、小規模自治体の未来は暗い

  • 齊藤 由里恵

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2007年3月5日(月)

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 「平成の大合併」と呼ばれる市町村合併の結果、1999年に約3200あった市町村は、今や1800にまで減少した。しかし、人口10万人以上の規模に達している自治体は全体の15%に過ぎず、28%は1万人以下の小規模な自治体が占めている。

「平成の大合併」は地方自治体を強くしたのか?

 平成の大合併で、自治体は十分な規模に達したと言えるのだろうか。

 地方自治法には、「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(第2条14項)、「地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない」(同15項)との定めがある。

 そもそも、市町村の最適規模はどの程度なのか。そうした議論が十分に尽くされないまま、合併だけが先行してしまったのではないか──。そうした問題意識から、地方自治体の適正な人口規模を探る研究を行った。

 政令指定都市を除く全市町村について、1990年度から2004年度の15年間の人口、面積、歳出データを基に「パネルデータ分析」という手法を用いて、住民1人当たりの歳出を最も低くする人口規模を探った。

市町村人口の最適規模は「約18万人」

 グラフは、横軸を市町村の「人口」、縦軸を「1人当たり歳出」として2004年度の単年度について結果を示したものである。15年間を通したパネルデータ分析によると、最適の人口規模は「約18万人」という結果が得られた。ちなみに、ほかの研究者による分析でも20万人前後と同水準の結果が示されている。

 平成の大合併が一定の成果を上げたことは確かだが、財政的に自立することが難しい過小な自治体がまだ多く存在していることが改めて裏づけられた。グラフから明らかに読み取れるように、人口規模が1万人よりも少ない自治体では1人当たり歳出(総歳出/人口)が極めて高くなる傾向がある。

 1人当たり歳出が高い自治体の具体例としては、沖縄県伊平屋村(人口1547人)や北海道西興部村(人口1214人)などがあり、1人当たり歳出はいずれも約230万円となっている。これに対して、埼玉県鷲宮町(人口3万4065人)や千葉県流山市(人口15万910人)などの自治体では約22万円に過ぎず、その差は10倍以上もある。(注:人口、歳出データは『2004年度市町村決算別状況調』による)
 小規模自治体の多くが、ごみ処理や消防、介護保険といった基本的な行政サービスを単独で行うことができない。そのため、小規模自治体では近隣の複数の市町村と、事務組合、広域連合を組織することでなんとか処理してもらっているというのが実情だ。

コメント29件コメント/レビュー

相関関係と因果関係を取り違えたミスリードな議論のように思えます。18万人規模の市町村が最適だったと、結論づけていますが、効率性をもたらしたのは「それなりの人口密度」であって、それなりの人口密度のところは、それなりの規模の自治体が形成されていたということではないでしょうか。人口密度がかわらないで、規模だけ拡大したときに、どういう理屈で行政の効率化がはかれると考えられたのか、それが全体のコストに対して、どれくらい影響するのか、まで分析しないと、ミスリードな気がします。(2007/03/08)

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いただいたコメント

相関関係と因果関係を取り違えたミスリードな議論のように思えます。18万人規模の市町村が最適だったと、結論づけていますが、効率性をもたらしたのは「それなりの人口密度」であって、それなりの人口密度のところは、それなりの規模の自治体が形成されていたということではないでしょうか。人口密度がかわらないで、規模だけ拡大したときに、どういう理屈で行政の効率化がはかれると考えられたのか、それが全体のコストに対して、どれくらい影響するのか、まで分析しないと、ミスリードな気がします。(2007/03/08)

国と地方の借金が膨れあがっている現状から、国や地方自治体の経済効率の向上は必要不可欠である。そのなかで、市町村がもっとも効率的な歳出を実現できる規模を推計しているこの研究は、これからの市町村合併において一石を投じるものとなるのではないか。地方においては集落が点在しており、経済効率の観点からは望ましくない。したがって、そのような集落を都市部に集中(移動)させ、さらにこの研究の分析よる最適な人口規模の地方自治体を実現させて、歳出を削減するという強引な方法が必要であるのかもしれない。また、その副産物として農地を買い上げ、大規模経営を実施することで、農業の生産効率性を向上させる可能性は高い。結果、食糧自給率の上昇というシナリオもあり得る。歳出規模の適正化によって、公債、食料という国民に影響の大きな点を改善できるかもしれない。もちろん、地方を維持するために、増税するというコンセンサスが国民から得られるならば、歳出の経済効率など考慮(つまり市町村合併)する必要はないのだが、それは困難が多いのではないだろうか。(2007/03/08)

誰もが忘れているようなのでもう一つ。合併に伴う地図や標識その他情報資産などの移行・修正等に関わる一時費用の事を忘れてないでしょうかな。一部の数値ばかり見て、多方面からの視点が無い一面的見方による本当の相関ではないみせかけの相関に過ぎない気がしますよ。今回の18万人は。本当の相関はその程度の都市が持つ平均的密度の問題に過ぎないかもしれないのに。鞍点のように、ある面から見たら谷で安定でも別の面から見たら山で総合的には不安定という例もある。だから統計だとか科学的分析には慎重な対応が必要なのだ。それを忘れてもらっては困る。(2007/03/08)

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