• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

まず熟練工、そしてブランド

山崎製パン、12年越しの不二家“いいとこ取り”

2007年3月7日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「うちも異物混入で苦しんだ。他人事に思えなかった」。山崎製パンの飯島延浩社長は品質管理面で不二家支援を決めた理由をこう説明する。

狙うは一般菓子の不二家ブランド

 それを額面通りに受け取る関係者はいない。山崎製パンの7491億円ある売上高のうちおよそ半分を占める製パン事業は、国内で32%と圧倒的なシェアを占めており成長の余地は小さい。製菓事業を伸ばすほかないが、同社の弱みは菓子分野で強いブランドを持たないことだった。東ハトの買収と同じく、山崎製パンの狙いは「ペコちゃん」をはじめとする不二家の菓子ブランドだ。

 製造技術に関して、山崎製パンが不二家に学ぶことはほとんどない。不二家の工場を視察した山崎製パンの関係者は驚きを隠さない。「想像以上にひどい。うちの基準では考えられない」。機械の隙間に汚れが詰まっている。原材料を管理する専門部署はなく、在庫管理もずさん。「何から手を着けていいのか、途方に暮れた」という。

リストラの受け皿に

 山崎製パンは、もともと不二家の生産技術に興味を持っていた。かつて不二家は生菓子製造の第一人者として「製菓業界にあって、一定の敬意を払われていた」(大手製菓会社首脳)。

 技術を指導する側とされる側が入れ替わる。逆転劇は、12年前の1995年に不二家自身が招いたものだった。当時、山崎製パンは不二家の生菓子製造のノウハウを自社内に取り込み、品質を向上させた。

 95年、不二家は岩手、名古屋、茨木(大阪府)の3工場の閉鎖を決定。合わせて280人の希望退職者を募るリストラを断行した。有価証券や土地などの資産を次々に売却しても、経常赤字を解消できなかった時代だ。

 「集まるか不安。肩たたきをしなければならないかもしれない」と恐れていた不二家経営陣の心配をよそに、280人という定員に対して、あっという間にその人数を上回る応募者が殺到した。売り上げ減少に対する経営陣の無為無策に従業員の心が離れてしまっていることが浮き彫りになった。

コメント3件コメント/レビュー

> リストラの大なたが振るわれた95年にPL(製造物責任)法が施行され、それを受けて大手製菓各社は90年代にHACCPなどの衛生管理手法を導入している。2000年には雪印乳業の集団食中毒事件が発生し、食の安全に対する意識が高まった。山崎製パンも2000年には異物混入で回収騒ぎを起こし、AIBと呼ばれる衛生管理手法を導入している。ところで、その雪印はHACCPを取得していましたよね?ルート134//(2007/03/07)

「時事深層」のバックナンバー

一覧

「まず熟練工、そしてブランド」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

> リストラの大なたが振るわれた95年にPL(製造物責任)法が施行され、それを受けて大手製菓各社は90年代にHACCPなどの衛生管理手法を導入している。2000年には雪印乳業の集団食中毒事件が発生し、食の安全に対する意識が高まった。山崎製パンも2000年には異物混入で回収騒ぎを起こし、AIBと呼ばれる衛生管理手法を導入している。ところで、その雪印はHACCPを取得していましたよね?ルート134//(2007/03/07)

マスコミの全体的な雰囲気として「ペコちゃん」に同情的な記述が多いような気がする。「ペコちゃん」は子供に訴えることによるセールス効果は大だが、大人単独にはそのような効果はないだろう。あるとすれば、子供同伴の母親などが子供にせがまれてという親子の随伴効果だろう。いずれにしろ「ペコちゃん」効果により無邪気な子供を騙すような行為があってはならず、このようなことをなくすことがこの種の企業に社会が求めている最低限のモラルだ。(2007/03/07)

この記事と、「時流超流 2007年1月29日:不二家、諦めと停滞の果て、不祥事の根源は12年前の1月23日にあり」の内容との関連はどうなのか? (2007/03/07)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員